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The Birthday~Quattro×Quattro Tour'12~@名古屋クラブクアトロ

どうにもこうにも仕事で間に合わず、名古屋クラブクアトロについたのは開場時間から30分ほど経った頃。

バカは夜明けによく笑う-The Birthday クアトロ


人気のロックバンドにしては狭すぎる会場なのだろう。
急いでフロアに入るとすでに人で溢れかえっていた。

しばらくして落とされる照明。
現れるメンバーに向けられる雄たけびのような歓声。押し寄せる人の波。

チバユウスケが「ハロォーー!!」と叫んだ一瞬。
たったその言葉だけで、じゅうぶん過ぎるほど観客は盛り上がる。
今だ衰えぬフロントマン、チバユウスケのカリスマ性。

彼らが一曲目に披露したのは5日前に発売された新曲の『ROKA』だった。
「ついてこれるか?」と言わんばかりに飛ばすバンド。
それに応えるよう、観客は「待ってました!」と言わんばかりの盛り上がり。

どのバンドもファンとメンバーの間には、ある種の信頼関係が築かれているのだろう。
以前は多少のムラはあったにしても、その辺の新人バンドが到達できない域の安定性と迫力がThe Birthdayにはあり、それを知っている観客は否応なしにテンションが上がる。

曲は勢いを増し、『ホロスコープ』でフジイケンジのギターは冴え渡り、
『BUDDY』で観客は跳ねる、跳ねる。
まさにフロア全体が揺れている感じ。

「変わらないでいるために変わる。当たり前じゃんかそんな事」と歌うチバユウスケ。
それが何を指すかは分からないが、変わらないことが美徳、変わることを嘆く人が多い音楽ファンの中。
イマイアキノブの脱退、フジイケンジの加入というメンバーチェンジは、ファンにすんなりと受け入れられ音はよりシンプルに疾走感を増したように感じる。

途中機材トラブルがあり、客とメンバーの間で多少のやりとりがあった。
フジイケンジが「昨日見た?売れるかもしれない。」とちょっと嬉しそうに言ったのが印象的だった。
(何を「見た?」と聞いたかというと前日に連続ドラマ「家族のうた」で新曲の『ROKA』が使われた)

音楽のみならず表現者として何かを発信していれば、誰もが多くの人に認めてもらいたいという気持ちはあるだろう。そんな至極当たり前のことが今だ彼らの中にもあったんだ。と、そんな事を思った。
すでに日本のロック好きの中では知名度を持っている彼ら。
自分達の好きなようにやって、聴きたい奴は聴けばいい。
そんな無骨な彼らの姿を勝手に抱いていたが、今までの功績にあぐらをかく事無く、彼らは今でもずっともがき続けているんだと。
きっとこれからも、もがいてもがいて転がり続けてくれるのだろう。

ライブは中盤に差し掛かり、ミドルテンポの歌で魅せるチバユウスケの歌声。
彼の歌声を言葉で表すとき、綺麗だとか美しいという言葉はあまり耳にしなくとも、ライブで聴く彼の歌声は美しいと感じる。
心地いいしゃがれ声はフロアを包み込んだ。

声を震わせ歌うその姿もまた美しく。
時折、目を見開いて歌う全力の姿。
汗で濡れ、へばりつく髪の毛を嫌うかのように顔を振り、ギターを弾くその姿。
『レッドアイ』ではギターを置きマイクを手に持ち、時折見せる音の波を泳ぐような仕草。
男から見ても素直にかっこいいと思える。
齢40を超えても若いファンが増え続けるのもうなづける。

『さよなら最終兵器』『泥棒サンタ天国』と今までとは違う印象の曲のタイトルに不安を抱いていた6月発売予定の曲を披露した。
聴き取れた部分だけでも最近のチバユウスケの歌詞はメッセージ性が濃くなり、
フジイケンジ加入後のThe Birthdayのメロディーはキャッチーさが増した気がする。

ヒライハルキは以前見たより攻撃的で、体全体でリズムを取り吼えるような仕草を見せた。
クハラカズユキのドラムに関して言及するほどの音楽の知識は僕にはない。
それでも彼らの創り出すグルーブ感は素晴らしく感じる。

アンコールで披露された『涙がこぼれそう』の盛り上がり方は凄く、観客はパーティーの終わりが近づくのを振り払うかのようにテンションを上げた。

アルバム『I'm just a dog』を基軸に新旧の楽曲を取り入れたセットリストは個人的にとても満足できるもので。
ライブで聴くのは初めての曲もあり、やはりCDで聴くのとは格段に違う。
今まで何のひっかかりもなく流していた曲に突然胸の奥を鷲掴みにされた。

「チバユウスケについていけば彼は裏切らないんじゃないか?」
ロックの根底もあやふやな今でも、行けば必ずロックを感じさせてくれる。
盲目なファンのつもりもないし、そんなものにはなりたくないが、見事にそんな気持ちにさせるライブだった。

4月16日 The Birthday~Quattro×Quattro Tour'12~@名古屋クアトロ
~ セットリスト ~
・ROKA
・ホロスコープ 
・Buddy
・SとR 
・マディ・キャット・ブルース
・SATURDAY NIGHT KILLER KISS
・PARTY PEOPLE
・ビート
(機材トラブル)
・LOVERS
・あの娘のスーツケース
・Red Eye
・I'm just a dog
・春雷
・なぜか今日は
・さよなら最終兵器 
・泥棒サンタ天国
・YUYAKE
・OUTLAWⅡ
・READY STEADY GO

アンコール1
・BABY YOU CAN
・涙がこぼれそう

アンコール2
・ローリン

最後に、先行抽選、一般発売と共にチケットを手に入れることができなかった僕に、友人が行けなくなったチケットを譲ってくれた方に感謝を。
そして、その行けなかったご友人がもしこの稚拙な感想文を偶然にも目にすることがあれば、少しでもその場で受けた感情を共有することでお返しできればと思います。

機材トラブルの時にクハラカズユキが言ってました。
「貴重な体験だよ」と。
機材トラブル抜きにしても、貴重な体験のチケットを本当にありがとうございました。