ハロプロのコンサート・イベント中の禁止行為に関して思うこと

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先日、モーニング娘。'19をはじめとするアイドルグループが所属するハロー！プロジェクトから非常に重要なお知らせがありました。

Hello! FC@ufi_fc
コンサート・イベント中の禁止行為に関して https://t.co/24dBu0m6hj
2019年10月24日 15:08

「コンサート・イベント中の禁止行為に関して」というタイトルで発表されたこのお知らせ。

内容は

2020年1月2日以降、各ユニットを含む全てのHello! Projectコンサートにおいて、ジャンプ行為は禁止とさせていただきます。

というものでした。

ハロプロに限った話ではないと思いますが、私は他のアイドルの現場に行ったことがないのでハロプロの話として書かせていただきます。

ハロプロのコンサート（ライブ）では、ファンが様々な理由やタイミングでジャンプをします。

自分の推しメンのソロパートなどでジャンプする「推しジャン」や、タイミングも何もなくただひたすらジャンプする「マサイ」など。それとは別にメンバーが「ジャンプ！ジャンプ！」と煽ってきて、会場全体でタイミングを合わせてジャンプする場合もあります。

これらのジャンプ行為が2020年1月2日、ハロコン初日よりすべて禁止となったわけです。

ハロプロのすべてのコンサートでジャンプ行為を禁止にした理由については、かねてより過度なジャンプ行為に関しては注意喚起をしてきたが状況が改善されず、以下のような状況が発生しているためとしています。

・周囲のお客様の視界の妨げや周囲のお客様との接触。
それに伴う、お客様同士のトラブル。

・ジャンプしたお客様の転倒やそれに伴うお客様本人、及び周囲のお客様の負傷。

・座席や会場設備の破損。

私もモーニング娘。'19のコンサートにはよく行きますが、たしかにジャンプする人はたくさんいます。私もメンバーたちがガンガン煽ってくる楽曲のときはジャンプします。逆にそういう場合はジャンプしない方がメンバーに対して失礼とかなとも思います。

しかしここで問題視されているのは「過度なジャンプ行為」なんですよね。そして「過度なジャンプ行為」をする人ってほんの一部だけなんですよ、私が見た限りだと。まあ、どこからが「過度なジャンプ行為」でどこまでがセーフなのかという線引きは難しいものがありますが。

今まではこの線引きが多少曖昧なこともあったり、アップフロントは現場の細かいルールに関してはわりとファン任せ的な部分もあったと私は思います。そこにはある種の信頼関係のようなものがあったはず。

しかしジャンプ行為によって自分ではなく周囲の人にケガをさせるとか、コンサートホールの設備を破損させるとか、そういったことはやはり論外だし、事務所とファンの間にあった信頼関係を大きく損ねる行為でもあります。

以前モーニング娘。の武道館公演で、2階のスタンド席かどこかでジャンプしてバランスを崩して前の座席の方に倒れ込んだっていうことがあったのを覚えてらっしゃる方も多いはず。

武道館に行ったことがある方なら分かると思いますが、スタンド席ってコンクリートの階段にクッションが付いてるだけみたいな席で、段差も大きく傾斜も急なんですよね。

これって本人がケガするだけならまだしも、関係のない第三者にケガでもさせたら本当に大変です。この場合、もしかすると安全対策を講じなかったとしてコンサートの主催者が訴えられる可能性もあるわけです。

「過度なジャンプ行為」に対して注意喚起はしてきたけど、改善が見られないのであればリスク管理の観点からも「ジャンプ行為そのものを禁止しよう」という意見があってもおかしくはない。

さらに「座席や会場設備の破損」という部分に関しても、そもそもコンサートホールはジャンプ行為があることを前提には作られていないと思います。だから座席なんかは汚れたり破れたり、もっとひどい破損もあるかもしれません。きっとハロプロの長い歴史から考えれば、こういった設備の破損も相当数あるのではないでしょうか。

3年前ぐらいに大阪フェスティバルホールでコンサートしたときに、誰かが男子トイレの個室を詰まらせてトイレが水浸しになっていたこともありました。ちなみにあれ以降、大阪フェスティバルホールでコンサートは開催されていません。まあ、あれは事務所のミスでNHK大阪ホールでやるはずが会場押さえていなくて急遽決まった会場でしたけど。

それと設備面で言えば、たとえばジャンプ行為によってその建物が強く揺れたりすることもあります。これは今年の春ツアー札幌公演で実際に起きました。モーニング娘。'19がコンサートをしていた札幌文化芸術劇場hitaruは札幌市民交流プラザの4階にありますが、コンサート中に階下で行われていたイベントの会場（ホール）が揺れていたという話がありましたよね。

それと数年前に、ハロプロではなかったと思いますが、Zepp Namba『ＯＳＡＫＡ』でライブ中のジャンプが原因で隣接する「クボタ」の本社ビル６棟のうち２棟が大きく揺れて苦情を申し入れたなんてこともありました。

とにかく、ジャンプ行為に関しても設備の破損に関しても昔からある程度あるんですよね。

ではなぜ今回このタイミングでジャンプ行為の全面禁止に踏み切ったのか。

それはやはり「新規客の呼び込み」と「リスク管理」なのかなと思います。

「新規客の呼び込み」に関しては、モーニング娘。'19は2年連続で日本最大級の野外ロックフェス「ROCK IN JAPAN FES.」に出演して話題になりました。また松岡茉優さんや新木優子さんといった女優さんがファンを公言していることもあって注目度が高まっています。事務所としてはまさに新規ファンを獲得する絶好のチャンス。

そんな中で「ジャンプ行為の禁止」というのは、初めてアイドルのコンサートに来る人に対して「ハロプロのコンサートの安心・安全」を担保しているように感じます。

また「リスク管理」に関しては人的被害や設備破損ももちろんそうですが、近年のコンサート会場不足を踏まえ、コンサートホールの運営事業者に対し、ジャンプ行為を禁止することによりやはり「ハロプロのコンサートの安心・安全」を担保しているように感じます。

このお知らせが発表されたときはtwitterなどで様々な意見が飛び交っていましたが、発表から5日経った今、さすがに落ち着きを取り戻したようにも感じます。

いずれにしても決定事項が覆ることはないでしょう。

来年からはジャンプ行為を控えるのではなく、ジャンプ行為をしない、ということを守らなければいけません。

…飛ばねぇオタクはただのオタクだ

なんて声も聞こえてきそうですが、一つこのエピソードを。

昨年モーニング娘。が阪急西宮ガーデンズで新曲のリリースイベントを開催したんですが、そのときイベント開始前にこういう前説がありました。

これだけの人数が本気でコールしたら間違いなく近隣住民の方から苦情がくるので50%の力でお願いします！

ジャンプは禁止です！「Are you Happy?」とかありますけど、ジャンプではなく屈伸するなりうまく対応してください！

当時のレポ　2018年06月18日のブログ

モーニング娘。'18 新曲リリースイベント in 西宮ガーデンズ