ヒッチコックの『見知らぬ乗客』をヒントに、互いに娘を殺した男をそれぞれ狙う交換殺人を仕掛けるアマンダとナオミ。
一方、自宅で正体不明の男に襲われ心的外傷の後遺症に陥ったルースは夫のスコットと共にホテル暮らしを余儀なくされている…。
序盤は娘を喪ったアマンダと、何者かに襲われた後遺症に悩むルース、それぞれの苦しみについてじっくり描かれています。
しかし、アマンダがナオミと出会い、実際に交換殺人を行おうとする辺りから一気に展開は加速。
思いがけない事実が幾重にも明らかになっていく様には何度も驚かされます。
読んでいて、「これってスッキリするタイプじゃないかも」と思っていたのですが、確かにそう。
でも、矛盾しているかも知れませんが、それでいてスッキリするというこの読後感。
いやー、面白かった!
ところで本書は再読もしています。
初読ではそこまででは無かったのですが、アマンダに寄り添うファロウ刑事が良いキャラクターですね。
「絶望の中で最後の希望であり守護神と」いった綽名をつけられている(本人は気に入ってないけど)、あきらめることを知らず、被害者に寄り添うベテランの刑事。
それがラストにも繋がっていて、もしかして続編があったら…などと、思わず想像してしまいました。
しかし、本当に驚きの連続を味わえるザ・エンタメなサスペンス!
とにかく読者を楽しませるための著者の仕掛けを堪能です。
スティーヴ・キャバナーといえば『 弁護士の血』がべらぼうに面白かったのですが、これまで翻訳が途絶えていたので残念でしたが、11年ぶりの翻訳となんる本作をきっかけに、著者の他の作品も翻訳されますように…!
