長安のライチ 読書感想 冒険小説 | 固ゆで卵で行こう!

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長安の下級官吏・李善徳は、楊貴妃の誕生を祝う宴に合わせて、妃の大好物であるライチの蜜漬(荔枝煎)を調達し、長安の王宮に届けるという任につくことに。

簡単なミッションをクリアすれば出世の道もと喜んだのもつかの間。
実は命令書が改竄されており、届けねばならないのは「荔枝鮮(生のライチ)」であることに気付かされる。

産地から長安まで2500km、3日で腐ってしまうというライチを一体どうやって運ぶことができるのか。

まさに命懸けのミッションに李善徳は挑む。

 

 

 

ライチは1日で変色、2日で香りが変じ、3日で腐るという。

 

そんな足の速いライチを、新鮮なままで長安に運ばなければならないという、まさにミッション・インポッシブル。

 

無理難題を押し付けられてしまった李善徳。

 

失敗すれば、文字通り首が飛ぶミッション。

 

輸送ルートや保存方法など、あらゆる伝手や手段を選び試行錯誤する中で、想定以上にアクシデントが襲い掛かります。

 

そんなアクシデントの数々に、生来の不器用さは彼を更なる窮地に追い込むけれど、その不器用さは誠実さとの裏返し。

 

困難の中で芽生える友情などは実に清々しいものがありました。

 

けれどもそれゆえに更なる苦しみを生むことになる様は読んでいて痛々しかったです。

 

なんとか全て良い方に向かって欲しい、万々歳で終わって欲しいと思わず願いながら読み進めるのですが、上からの一方的な圧力に成すすべもない様子は、上からの理不尽な要求をのまざるを得ない経験をしてきた会社員には分かり過ぎるほど分かるものが。

 

万事がうまくいくということは難しいというのは、なかなかリアルで、その辺りはちょっと切なくも胸が痛むものがありました。

 

とはいえ極上のエンターテイメントであることは間違いありませんし、中国歴史社畜物語、面白すぎでした!

 

長安のライチ、馬伯庸の書影