7月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:3440
ナイス数:326
【2021年・第19回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】元彼の遺言状 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)の感想
差し出された婚約指輪が自身の基準で考えるより相当安かったため彼と別れる弁護士の剣持麗子。働くのは金のためだと声高な彼女の姿、最初はちょっとなって感じも、いつしかいっそ清々しさえも。そんな麗子を筆頭に主要登場人物がクセ強めなこともありライトな感じと先へ読ませる展開であっという間に読み終えました。短い期間だけつきあった元彼の遺産を巡り、依頼人を犯人にしたてて元彼を殺した「犯人選考会」に挑む麗子。突拍子もない設定だけれど思いがけない展開と、麗子が自身すら気付いていないような本質に触れることができました。
読了日:07月29日 著者:新川 帆立
ランチ探偵 彼女は謎に恋をする (実業之日本社文庫)の感想
〈ランチ探偵〉シリーズ3作目はコロナ禍が舞台。感染症対策を行い人との接触を避け、ステイホームやリモートワークが進み、将来に対する不安や社会の閉塞感を思い出しますが、それもまだ数年前の事。リモート飲み会も今は懐かしくも。そんな中で麗子のバイタリティは眩しくもありましたし、誰かと出会うって楽しいことなんだって言葉に共感です。ミステリとしては今回はWHYの方に重点さが増しているようで、個人的には謎解きそのものはこちらの方が前作よりも好みだったかも。今も麗子とゆいかはどこかでランチ合コンと謎解きを楽しんでるかな?
読了日:07月16日 著者:水生 大海
ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)の感想
〈ランチ探偵〉シリーズ2作目。今回もランチタイムに合コンで謎解き。麗子は変わらず男性狙いで、ゆいかも変わらず謎解き狙い(笑)。美味しそうな料理の数々だけれど、謎にしか興味の無いゆいかは料理が冷めるのも気にしない。そしてそんなゆいかの様子に憤慨する麗子という図式が楽しい。ゆいかが麗子に野菜を勧める様子は保護者みたいだけれど、その理由も明かされハッとしましたし、意外に人間関係などリアルな部分も。そしてそれぞれのお話では犯人は大体分かるのですが、HOWの部分がどう描かれるのかが読みどころで楽しめました。
読了日:07月12日 著者:水生 大海
キル・フォー・ミー キル・フォー・ユー (小学館文庫 ス 4-1)の感想
【再読】読書会前に再読。初読ではそこまででは無かったファロウ刑事がいい。絶望の中で最後の希望、守護神との綽名をつけられている(本人は気に入ってない)、あきらめることを知らず、被害者に寄り添うベテランの刑事。それがラストにも繋がっていて、もしかして続編があったらなど、思わず想像してしまいました。しかし、本当に驚きの連続を味わえるザ・エンタメなサスペンス!とにかく読者を楽しませるための著者の仕掛けを堪能です。著者の他の作品も翻訳されますように!
読了日:07月10日 著者:スティーヴ・キャヴァナー
ヴィクトリアン・ホテルの感想
100年の歴史をもつホテル高級ホテル。そのホテルに訪れた人たちの群像劇。ちょっとした違和感の正体。もしかしてと思ったらその通りだったけれど、あれとこれぐらいかと思ったら、あれもこれもということで「全部かよ」とちょっと驚きをもって迎えることができました(笑)。どんな表現でも、善意でも、優しさも、誰かを傷つけることはある。けれどもそれ以上に助けられる人がいることを忘れてはならない。マイナスの言葉の声は大きく影響されがちだけれど、声をあげない多くの人の優しさを信じたくなります。
読了日:07月06日 著者:下村 敦史
ハウスメイド2: 死を招く秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 HMマ 20-2)の感想
【再読】はじめて読んだ時は一作目があるからこその驚きに興奮しました。で、再読し始めて驚いたのは、あんなに面白いと思ったはずなのに、面白かった記憶だけで内容をかなり忘れている自分の記憶力の無さ。まぁ、これはいつものことですが(笑)。ともあれ前作の刷り込みを逆手にとった展開を見せる著者の術中に今回もまんまとハマってしまって一気読み。前作があるからこそ、それを上回るような面白さに何よりの嬉しい驚きでしょう。とはいえ、改めて読むと偶然などがあっての解決なので、その辺がカタルシス感を減ずる要因となっているかも。
読了日:07月02日 著者:フリーダ・マクファデン
ハウスメイド (ハヤカワ・ミステリ文庫)の感想
【再々読】やっぱり面白いねー。アンドリューの許可がなくてもエンツォを雇えたのかとか、そもそもよく雇われたままだったよなとか、エンツォはちょっと都合良すぎな気もします(笑)。しかしちょっとした疑問点が浮かび上がっても、先へ先へと読ませ、更に物語が反転していく仕掛けには、まんまと著者に術中にハマってしまいますね。おかげで疑問に思ったことを忘れて読み進めてしまいます。胸糞悪いお話だけれど、終わってみればスッキリという読後感もよく、ミリーの今後の活躍を期待しちゃうラストも印象的です。
読了日:07月02日 著者:フリーダ・マクファデン
硝子のハンマー (角川文庫)の感想
弁護士の青砥純子と防犯コンサルタントの榎本径が、可能性を一つ一つ潰して理論的に密室の謎に挑む様子。榎本が探偵役と思いきや、意外に青砥も推理して見せる姿や、榎本のダークヒーローぶりが面白かった。ミステリーとしては思い切りハウダニットに振り切っていながら、後半で犯人視点の物語で真実が明らかになる展開は意表をつかれました。トリックは凄かったですが、実際にそこまで緻密には難しそう。何より殺人の動機が弱過ぎる気が。被害者がとんでもない悪党であればもう少し共感し理解できたかな。
読了日:07月01日 著者:貴志 祐介
読書メーター
7月はなんといっても『キル・フォー・ミー キル・フォー・ユー』。
『弁護士の血』のスティーヴ・キャヴナーの作品が読めるというだけでも期待大でしたが、その期待を裏切らぬ面白さでした。
しかし、毎週休みになると山登りに行っているせいか、新作を読めずに積読にしかなっていない月でもありました。
今週末は楽しみにしている夏山旅行。
春先に購入した新しい登山口を相棒に楽しんできます。
