蒲御厨で静かに暮らしていた範頼は、打倒平家に立った兄・頼朝のもとへと馳せ参じるも、会って早々、兄の怒りに触れ平服する。
勇猛果敢な弟の義経に比べ、小心者である自身の情けなさを日々感じるも、頼朝の名代として軍の総大将を命じられ…。
数年前の大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」を思いだしながら読みました。
頼朝の名代として軍の総大将を務める範頼。
兄の頼朝の将来を見据えた戦略と冷徹さ。
目の前の戦の勝利が楽しいだけで犬のように人懐っこい弟の義経。
二人に挟まれた小心者の範頼。
軍を率いた経験もなく、はじめは周りの言動を気にしてしまったり、愚痴がとまらなかったりなど、軍を率いる侍として不安な面が見えますが、いつしか周囲のアドバイスを受けて大局を見すえ、軍を動かし養うことに長けた名将の姿が垣間見えます。
次第に窮地に陥っていく義経を救いたいと、義経に頼朝への報告を怠るななど助言を送ったりするものの、自分自身の身も助けたいことから、具体的な行動は避けてきた範頼。
そんな兄への恐怖心に竦んでいた範頼が、やけくそかも知れないけど反抗する姿を見せた時が実に恰好いい!
しかし、それでもその先の歴史を思うと切なくなりますね。
