汚れた街で汚れた探偵が動き回り、多くの血を流す、ハードボイルド小説の元祖で、黒澤明監督の映画『用心棒』の元になっていることでも有名な物語。
よく言えば頭が良いのですが、なんともずる賢くも臨機応変、その場の状況に応じて嘘や欺瞞を巧みに駆使し、その場を掌握。
気づけば誰もかれもが主人公の名無しのオプによってかき回された挙句、町には死体の山が築き上げられていきます。
いやー、オプ自身も銃弾が飛び交う場面に身を置くことも多く、よく命を落とさなかったものです(笑)。
それにしてもダイナに振り回される男どもといったら。
このダイナ・ブランドという女性は、街の情勢に詳しく、どのような思惑なのか、オプに対しても様々な裏情報を与えてくれる存在で、彼女によってこの街の運命も決まっていったのではと思えるような、キーパーソンでもあります。
そんなダイナに関わったことで、その運命が結果的には破滅に向かうことになる男たち。
そこまでダイナが魅力的なのかが自分には分からないけれど、どうしようもなく男を狂わすような、どこか蠱惑的で離れられなくなるような、そんな性を持つ女性ということでしょうか。
とはいえオプは自分自身にしか従わない男で、オプの考えも読者には読めません。
そんなオプによって街の住人たちそれぞれの立場は目まぐるしく変わり、それはダイナすら逃れることができない辺りが何よりも興味深いところ。
そうそう、オプは自分自身にしか従わないとはいっても、探偵事務所の所長には頭が上がらない様子。この辺りの場面とか、ちょっと見てみたくもなりました(笑)。

