自分も含め友人やお目付け役の大学生たちと6名、RV車に乗って旅行に出掛けた高校生のレッド。
携帯電話の電波も届かいない場所に迷い込んだ先で、何者かに狙撃され身動きできなくなる。
そして狙撃手からは、RV車に乗る6人のうちの1人がある秘密を抱えており、夜明けまでにその秘密を明かさないと全員を殺すとの脅しが…。
原題の『FIVE SURVIVE』が示す通り、6人のうち5人が助かるためには、ただ1人が抱えている秘密を明かす必要が。
誰が秘密を抱えているのか。
その秘密の真実とは。
そして果たして秘密を明かすのか。
主人公のレッドの視点で描かれる緊張感と緊迫感の溢れるサスペンスです。
レッド自身も秘密を抱えていますが、自分の秘密は狙撃手が欲しがっている秘密では無いと確信しています。
そんなレッドは警察官だった母親が何者かに殺された過去があり、最後に母親と交わした時のことについて後悔し、自分を責める念に苛まれています。
そして幼い頃からの親友であるマディとその兄オリヴァーの、ラヴォイ家との関係性がベースとして描かれることで、読み手もレッドに同化するかのように一緒になって感情を揺さぶられるのではないでしょうか。
そしてレッドの目に映る、リーダーシップを発揮するオリヴァー、親友のマディ、オリヴァーの彼女のレイン、酔って煩いサイモン、仄かな想いを抱いているアーサーといった、仲間たちの言動や表情の動きに、いったい誰が秘密を抱えている人物なのかと考え、予想しながら読み進めることに。
やがて秘密を巡って仲間同士での猜疑心やいがみ合いが湧きおこり、事態はより悪い方へ悪い方へと向かっていきます。
もうこの辺り、巻末の解説にも書かれていましたが、ある人物については読んでいてその顔をぶん殴りたくなってくるほど、いや、なんなら狙撃手に真っ先に撃たれてくれないかとまで思うほどイラつかされます(笑)。
そうして迎える夜明け前。
真実が浮かび上がり、レッドはもちろん、読者を驚かせてくれる展開に息を呑みながらの一気読みです。
とはいえ、そこかしこに張られていた伏線、そして示唆されているような描写もあり、察しのいい読者はなんとなく予想がつく部分もあるかと思います。
けれども『自由研究には向かない殺人』シリーズのホリー・ジャクソンらしく、その先に用意されている最終章も含めて、何か心に澱を残すようなものが。
何よりもその一方で、レッド自身が自分を責め、そして母親を責めて抜け出せないループのような世界から抜け出し、赦しと希望を感じさせてくれる、清々しくも解放感を得られるのも印象的です。
最後の選択も人によって分かれそうで、読んだ人に考えを聞きたくもなりますね。

