2年前に行方不明になった少女エリーが保護される。
当時、捜査を担当した警官のチェルシーは、監禁され虐待を受けていたと思しきエリーから事情聴取を行うが、エリーは詳しいことを話そうとせず…。
保護されたエリーは、監禁や虐待を受けていたと思われます。
しかし、エリーによる語りの部分では、その想像を絶するような2年間について描かれているものの、エリー自身はそのことを口にしようとしないのは何故なのか。
傷ついた心を守るためなのか、それとも他に理由があるのでしょうか。
2年前にも担当した警官であるチェルシーは再び担当することになるのですが、チェルシー自身にも姉が行方不明となった過去があり、その時の悔恨とチェルシー自身の正義感から、事件を解決しようとするその心情も丁寧に描かれています。
なんとかエリーに口を開いて欲しいと願うチェルシーもはじめはエリーのことを思って焦らないようにと考えますが、新たな疑念や事実が浮かび上がってくると、なりふり構っていられなくなり、それは物語に緊迫感をもたらし、終盤は一気に読ませます。
それにしてもラスト、思いがけない真実には驚きました。
しかし、それよりも何よりも印象に残ったのは〝娘を守ることに時間をかけるより、息子を気にかけるべきではないだろうか“云々の部分。
「ほんと、それな!」と声を大にして言いたくなります。
たとえどんな理由や背景があろうと、被害を受けた女性たちが責められるのは間違っており、責めるべきは加害者。
そして、弱者が被害を受けないように気を付けるよう言われる世界ではなく、加害者を作らない世界にしていきたいものです。

