黒猫のシンクが持ち帰ってくるボタンや釘など。
それらのお土産から猫だけが行ける場所について、そしてそこでシンクが持ち帰った品々にまつわる物語が繰り広げられているのかを想像し、答えが無い回答を推理。
そしてその謎は、たとえ解けそうだとしても、決して解き明かしたりはしない〈ミルリトン探偵局〉。
その探偵局の2人きりの局員で、クラフト・エヴィング商會の四代目である小学生の女の子で吉田音ちゃんと学者の円田さんによる推理はほのぼのとしていて楽しい。
そして、シンクがお土産を手に入れる先の物語はどこか切ないものを感じさせるものもあるけれど、微笑ましくもあって心がほんのりと暖かくなるようでした。
こんな風に、猫が隙間から向かう人間たちが入れない世界、そしてその先にある日常について想像するのも楽しく、思考をぐるぐると巡らせる心地よさで溢れていました。
なお、本書は著者の吉田篤弘さんが、主人公の音ちゃんと同じ名前で出した幻のデビュー作大改稿との事で、続編も続けて刊行されています。

