『ワトソン力』 大山誠一郎 | 固ゆで卵で行こう!

固ゆで卵で行こう!

ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

 

 

 

主人公の和戸宗志は警視庁捜査一課第二強硬班捜査第三係の刑事。

本人自身に推理力が特別ある訳では無い普通の人ながら、和戸の近くにいるだけで周りの人がまるで名探偵シャーロック・ホームズのように閃きと推理力が上がるという、〈ワトソン力〉と名付けた特殊能力の持ち主。

その能力をかわれて捜査一課の刑事に抜擢され、その能力のお陰で和戸のいる第3係は検挙率が100%を誇るという…。

うん、なんとも面白そうな設定だなと、前から読んでみたかった本書。

気軽に読めるけど、それぞれしっかりと伏線があった上で解決が語られる本格ミステリとして楽しめる、7つの事件+αが収められた短編集でした。

それぞれの事件は主人公の和戸が非番時に遭遇した、基本的にクローズドサークルと言えるような現場で発生し、容疑者が限られている中でその容疑者になる者たちがそれぞれ推理を披露し合う形で語られます。

当然、その中には犯人もいる訳で、犯人自身のものも含めての「多重推理」となる推理合戦、楽しめました。

ところで和戸自身は推理したりせずその場にいるだけで、和戸自身について語られる事も無いので、なんというか感情移入できるほど和戸の事が知れないなのが、ちょっと残念かな。

もっともプラスαの部分ではもしかして覚醒したのかと思わせる姿も見せますし(きっと違うだろうけど)、続編も出ているようなのでそちらも楽しみにしたいと思います。