『デシベル・ジョーンズの銀河(スペース)オペラ』 キャサリン・M・ヴァレンテ | 固ゆで卵で行こう!

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突如地球に現れた異星人の種族エスカ。
銀河系を代表する知覚種族による施設として彼女は地球人類に対し、人類に本物の知覚力があるかテストをすると告げる。
テストの内容は惑星リトストで行われる音楽の祭典で種族の代表が1曲歌うというもので、そのコンテストで最下位になった場合、人類は抹消されてしまうという。
そして地球人類の命運をかけた代表に選ばれたのは、落ち目のロックスター、デシベル・ジョーンズだった…!



話が全然進まなくて、ようやくやっと進んだかなと思えたのは半分ぐらいまで来た時でしょうか。

なので、正直、途中で何度も挫折しそうに(笑)。

とはいえロックが地球を救うというその設定だけで美味しいですし、ESC(ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト)とグラムロックをベースにしたコメディなスペースオペラとなれば、最後まで読んでその結末と人類の命運を確かめずにはいられません。

しかし、やはり読むのに苦労しなかったとは言えないのは、自分の貧相な想像力では、多種多様な異星人とその文化を脳内でうまくイメージしきれなかったからでしょうか。

人類存亡の鍵となる主人公のターンを挟むように、この様々な異星人たちや銀河の成形や関係性といったものが描かれているんですが、これが本書の大部分を占めているのですが、この辺りは映像化して群像劇のように映し出される、すごく楽しいものになりそうとも思えました。

でも、やっぱり主人公たちの出番、少なすぎじゃない?(笑)
もっとデシベル・ジョーンズ&絶対零度の活躍を見たかったかも。

かつて、一度は脚光を浴びたものの、いまはすっかり落ちぶれたロックスターで、デシベル。
そしてバンド、絶対零度のメンバーであるオールトとミラとの関係性や、栄光と転落について、もっと読んでみたかったです。

ところでその絶対零度のメンバーであるミラについては、レッサーパンダのような異星人の能力を考えると予想通りの展開でしたが、デシベルが吐き出すものについては驚くものがありました。
あれってあの後はどうなったんだろ?!

本国では続編が刊行予定らしいですが、その辺りも確認したいですし、このクセの強い物語に読むのが苦労するのは分かっていても、翻訳されたら手に取ってしまいそうです。