『サスペンス作家が殺人を邪魔するには』 エル・コシマノ | 固ゆで卵で行こう!

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サスペンス作家が人をうまく殺すには』に続く〈フィンレイ・ドノヴァン〉シリーズ二作目。

前作『サスペンス作家が人を殺すには』では、殺し屋と間違えられ、殺しの依頼を受ける事になったロマサス作家のフィンレイ。
なんだかんだで依頼をこなし(?)、万事収まったかに見えたかと思ったところに、新たに、しかも衝撃的な事が発生してというヒキで終わったので、「つ、続きを~!」と、待ちに待っていました(笑)

で、読み始めたら前作同様に止まりません。

帯にもありましたが、まさにジェットコースター・サスペンス!

主人公のフィンレイが事態を把握しなんとか解決しようと、行動するたびに何かしらトラブルが発生するなどして、冷凍首を抱えつつ(!)動けば動くほどドツボにハマっていく様子が可笑しくもサスペンスフルで、とにかく楽しい。

ドタバタコメディ要素は強いんですが、単なるドタバタコメディでは無く、しっかりとした構成とフィンレイを取り巻く状況や人物関係が丁寧に描かれていて、その辺の非現実的な要素の中の妙にリアルっぽい設定が余計に面白さを引き立たせてくれているんじゃないでしょうか。


また、ホットな弁護士を卵である学生のジュリアンとセクシーな警官ニックとの三角関係も目が離せません。

個人的にはフィンレイの姉の同僚である警官ニック推しですが、将来有望な弁護士の卵も捨てがたいですよね(笑)。

そして、クズ男な元夫スティーヴンに関しても、前作ではただただクズ男にしか見えなかった彼もちょっと可愛いというか、フィンレイもかつては愛した人物である片鱗が見えて、なんか同情めいたものも湧いたりして(笑)。

それにしても、ある依頼の主である、フィンレイたちが右往左往し危機に陥った原因である“FedUp”の正体には、思わず声を上げてしまうほど意外というか、驚きもありました。

さて、ベビーシッターで同居人、フィンレイの相棒となるヴェロが抱えている秘密とは?!

更に追い込まれた状況になるフィンレイの今後も楽しみです!