『クリスマス・キャロル』 ディケンズ

クリスマス・キャロル (角川文庫)

他人の事など考えず金だけを信じる守銭奴のスクルージの元に、共同経営者だったマーリーの霊、そして、「過去」「現在」「未来」を示す三精霊が現れる。
スクルージは精霊たちに、自身が行ってきた冷血な行いと、それがもたらすものを見せられ…。




随分と昔に（たぶん子供向けのものを）読んだだけで、スクルージじいさんが改心してハッピーエンドという骨格だけは覚えている程度で、詳しい内容は、例によってすっかり忘れていました（笑）。

さて、今回読んでみて、クリスマスの魔法の輝きと希望がこんなにも満ちている作品だったんだなと強く感じました。

みんなが笑顔になれるクリスマスという魔法。

こういう一日を心に残しておければ、誰もが助け合い、争いなど無く、世界はもっと美しくなるんじゃないかな、なんて単純に思ったりも。

クリスチャンでもないような自分でも、クリスマスというだけでなんだか心浮き立ち幸せな気分になりますし、そんな風に感じさせてくれるクリスマスって、他には無い、やはり特別な魔法のような一日なのかも、なんて。

また、人々の笑顔、町の灯りと喧騒、美味しそうな料理が並ぶ食卓、家族の間の他愛もないけど愛情溢れる会話など、それらを鮮やかに描かれているからこそ、誰かを思いやれるような、人と人との繋がりと暖かさが心に染み入りますし、このファンタジックな物語が、いつまでも名作として残っていたりするのかも知れませんね。
 

クリスマス・キャロル (角川つばさ文庫)