『ブラッド・クルーズ』 マッツ・ストランベリ | 固ゆで卵で行こう!

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スウェーデンとフィンランドを毎日往復する大型クルーズ船〈バルディック・カリスマ号〉には、家族の問題を抱えるもの、ただ欲望を満たしたいもの、自分を見つめ直したいものなど、様々な事情を抱えた千二百人もの乗客が乗り込んでいた。
そしてその船内には血を欲し、まさに牙をむこうとする者が…。



スゥエーデン発のホラー小説。

クルーズ船に乗り込んだ乗客や船員による群像劇がメインに描かれる序盤はゆっくりとした展開。

乗船している人々それぞれにドラマがあり、それぞれの事情で〈バルディック・カリスマ号〉に乗り込み、そして思い思いに過ごしている様子は、一部を除いて感情移入しにくい登場人物が多いかも。

なんというか、人の欲望がこうも具現化させたなといった印象で、描かれるのはアルコールとドラッグとセックスと、こういうクルーズに乗る人はこんなんばっかりなのって偏見を持ってしまいそうです(笑)。

とはいえ、もちろんそればかりではなく、船内の秩序を守ろうとする警備スタッフや、彼氏にプロポーズしようとしている男性、これまでと違った自分になりたいと願う女性など、応援したくなるような人物たちも。

そんな船内の人間模様があらかた描かれた前半が終わりを迎える頃に、ついに惨劇の幕が上がります。

洋上のクルーズ船という密室の中で惨劇が始まると、次から次へと犠牲者が。

そんな惨劇の中でも群像劇は描かれていくのですが、誰と誰が犠牲になるのか、そしてこの事態の結末はどのような形で迎えるのか、ハラハラドキドキの展開が。

あぁ、あの人もこの人も犠牲になってしまうのかと嘆息しつつも、犠牲になる人の中には最後の最後まで格好いい人もいたり、この人やあの人はもしかしてと思わせたりと、思わず希望を抱いたりも。

最後は…
うん、そうよね。
やはりそうなるよね~。

ホラーはあまり得意ではないんですが、群像劇の様子やパニックに包まれる船内、そして最後まで不穏な感じとか、映像化されたら面白そうですね。