『ロンドン・アイの謎』の続編。
今回の舞台はロンドンから遠く離れた、ニューヨークはグッゲンハイム美術館。
姉のカットたちと共に従兄のサリムの母親が勤めるグッゲンハイム美術館に見学に訪れたテッドは、そこで起きたボヤ騒動の後にある絵画が消え、叔母が犯人だとの嫌疑がかけらた事から、叔母の嫌疑を晴らすために消えた絵画の謎に挑む事になります。
亡くなった『ロンドン・アイの謎』の著者シェボーン・ダウドのあとを引き継いで物語を紡いだロビン氏の語り口に違和感は無いですよね。
他人とは違う思考を持ち理解されにくい「症候群」をもっているテッドは、普通の人よりも鋭い観察力と発想でもって真相にたどりつくのですが、その過程は、テッドのその繊細な内面も胸に迫る様子でもって描かれています。
事件の真相、もしくはその一部については、ミステリーを読み慣れている人は察する方も多いのではないかと思いますが、何より、テッドの成長する姿が実に鮮やか!
この辺りが何よりも本書の魅力であり、今回は〈比喩〉について学んでいく姿が楽しくもあります。
ただ、前作であったテッドの突拍子もない推理リストが無くなったのは残念ですが(笑)。
それにしてもラストの一文、胸にグッときます。
思わず目頭も熱くなりました。
更に、巻末のロビン氏の謝辞の言葉にもウルッと来るものが…。
叶うならテッドたちにまた会いたいですし、テッドたちの成長する様や名推理を見てみたいですね!