実際にあった犯罪や事件について書くノンフィクション作家のワイリーは、別れた夫と息子との関係に疲れ、20年前に起きた惨殺事件の現場であり空き家となっている田舎の一軒家を借りて、しばらくの間、そこで執筆活動を行うことに。
ある日、吹雪の中で少年が行き倒れているのを発見し保護しようとするが、少年はワイリーを警戒し、何も語ろうとせず・・・。
思っていた以上に胸に染みるサスペンスで、なんというか、うん、良かったです!
中盤以降、特に終盤での展開がサスペンスフルで、また、読者をうまく裏切るような描き方もあって引き込まれ、気付けば手に汗握りながら最後まで読んでしまいました。
犯罪実録作家のワイリーが、吹雪による影響で外部との連絡手段も途絶えた田舎の一軒家で起きる出来事。
そしてワイリーが現在執筆中の過去の犯罪記録。
その上に更に合間に挿入される、どうやら虐待を受けているらしき、ある少女の視点による物語。
それらが短い章立てで交互に描かれていくのですが、序盤はバラバラに見えるそれらがどう繋がっているのか分からず、少々読むのに手こずったというか、ちょっと入り込みにくかかったかも。
しかし、過去に起きたおぞましい犯罪、ジョージ―という少女の両親が何者かに殺され、親友と兄が行方不明になった事件の詳細が明らかになるにつれて、その事件の真相が知りたくなるのと同時に、現在のパートでワイリーの前に現れた少年の正体や、時折挿入して語られる少女について、どう繋がっていくのか気になり、気付けば引き込まれるように。
そして薄っすらと見えてきたと思ったところで、「ああ」と思わず唸ってしまう展開、見せ方がうまいなぁ。
そしてそれだけでなく、それぞれが抱えてきた傷には思わず一緒になって痛みを感じ、それゆえにそれぞれの絆の強さに胸を打たれ、熱くなるものが。
扱っているテーマだけに、恐ろしく、胸が抉られるような、腹立たしく思えるような描写もありますが、彼女たちがそれを乗り越えようと並ぶ姿に胸がいっぱいになりました。
