『窓辺の愛書家』 エリー・グリフィス | 固ゆで卵で行こう!

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亡くなった本好きの老婦人ペギーは「殺人コンサルタント」を名乗り、数多くの推理作家の執筆に協力していたらしい。

彼女の死因に疑問を抱いた介護士のナタルカは、刑事ハービンダーに相談すると共に、友人二人と真相を探りはじめるのだが・・・。

 

 

 

見知らぬ人』に続く、〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズ2作目。

 

前作のゴシックホラーみたいな雰囲気から一転、コージーミステリーのような展開を見せるのが意外でした。

 

今回は登場人物達それぞれの関係性により注視できるせいか、そして、それぞれのキャラクター同士の描かれ方が楽しいせいか、前作以上に楽しめました。

 

実際、ハービンダー刑事のキャラづけも濃くなりましたが、ミステリ作家に助言していた殺人コンサルタントの老婦人の死の真相を探る素人探偵三人組が何より楽しかったのは、それぞれにしっかり肉付けされた背景が見えるからでしょうか。

 

その中に、貧困や同性愛、過去の戦争や政治など、現実的な社会問題を絡めつつも、コメディあり、ロマンスありのサスペンスとして決して飽きさせずに読ませてくれます。

 

何より本好きの読者にとっては、書物への愛も描かれているのがポイントかも。

 

しかし、事件の真相に至るまでの謎が盛沢山で、結局よく分からない事も残ったような…って、そんなの自分だけ?(笑)

 

でも、ハービンダー刑事の家族が、彼女の事をありのままの彼女として受け入れている事が分かる場面はグッときましたね~。

 

それにしても、本書が書かれた時に狙っていた訳でないでしょうが、やはり印象に残るのは今も続く戦争という現実。

その現実にはどこか虚しさと切ない物ものを覚えました。