『ナイルに死す【新訳版】』 アガサ・クリスティー | 固ゆで卵で行こう!

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美貌の持ち主で資産家としても有名なリネットは、夫とエジプトへと新婚旅行へ。

しかしその行く先々で夫の元婚約者が現れ、ついにはナイル川を遡る豪華客船の上で悲劇が起こる・・・。

 

 

 

ナイル川を征く豪華客船で起こる殺人事件。

 

多くの容疑者候補が乗り合わせた客船で、ポアロが見せる人間観察や分析の鋭さに舌を巻きます。

 

真相が分かれば著者が登場人物達に語らせていた言葉の中には、確実に事件の真相が示唆されていたと気付かされ、読了後に改めてそれらを確認するのも楽しいですね。

 

悲劇の元となる三角関係だけでなく、客船に乗り合わせたその他の乗客の恋愛模様など、悲劇だけでなく愛の喜びも味わえるなど、〈愛〉も含め欲望に飲み込まれる人間の性は、今も昔も変わらず普遍的だと思えるところもクリスティーらしいかも。

 

ところで本作品は殺人事件がなかなか起きないのですが、その分、旅情雰囲気を前半でたっぷり楽しめます。

 

そして事件が起こると、クリスティーが前半も含めて仕掛けるミスリードに翻弄されるような、本格ミステリーが展開され、一粒で二度美味しい旅情ミステリーでもありますね。

 

それにしても登場人物を覚えきれない点が読んでいて一番苦労したところかも。

 

本書を読む前にピーター・ユスティノフ主演の旧映画版を久し振り見返したり、デヴィッド・スーシェによるドラマ版で内容を知っていても登場人物を覚えきれなかったりして(笑)。

 

ちなみにケネス・ブラナーによる映画版「ナイル殺人事件」の公開前にと読んだんですが、映画自体は再延期となり公開未定とは・・・。