刑事のマックスは高級住宅街で殺害された女性の被害者の夫で、マックスとは因縁ある弁護士プルイットに疑いをかける。
そのプルイットは、かつて弁護士としてともに働いたボーディに弁護を依頼し、ボーディは引き受ける。
親友であるマックスとボーディは、敵対する立場となって陪審裁判に挑む事になるのだが。
刑事のマックスから弁護士ボーディに法廷で向けられる怒りの場面で物語は幕を開けます。
友人であった筈の二人が何故対立する立場になったのか。
なんで?
どうして?
と、疑問から始まり掴みはオッケー。
後は著者の思惑に乗って一気に没頭させられました。
刑事のマックスが疑惑の目を向けるのは、過去に因縁ある弁護士プルイット。
このプルイットが、マックス側の立場になって見るとなんとも嫌なやつに描かれ、やはり犯人なのかと思わされます。
一方、そのプルイットに頼まれ弁護するのは、弁護士としては一線を退き教壇に立っていたボーディですが、プルイットとはかつて共に法廷に立ち、弁護士として信頼しているゆえ、いや、やはりプルイットは犯人とは違うのではと疑問を抱く事に。
その疑問は、親友であるマックスとボーディが対立する立場になった事で、どちら側に本当の正義があるのかと緊張感が高まります。
そして、それぞれがある理由で痛みを抱えながらも、それぞれが信じる正義を成さんとする姿に胸を打たれずにはいられませんでした。
法廷ものとしては一瞬で事態が反転する様子も読み応えあるんですが、親友同士だからこそ相手の弱点が分かり、そこを非情にも突く様子には痛みや苦しなど様々な感情で揺り動かされたりと、とにかく最後まで気が抜けないリーガルサスペンスです。
マックス側、それともボーディ側のどちらに寄り添って読むかで印象が変わりそうですが、「天墜つるとも、正義を為せ」、その言葉が本書を雄弁に物語ってくれます。
例えわが身に降りかかろうとも・・・それを実践しようとする場面は胸熱です!
ちなみに本書には著者のデビュー作『償いの雪が降る』(過去記事はこちら)から連なるシリーズの三作目(二作目は現時点では未訳)です。
本書を単独で読んでも楽しめますが、『償いの雪が降る』に登場している人物たちのその後も分かりますので、『償いの雪が降る』が気に入った方は本書も是非手に取って欲しいですし、本書を先に読んだ方は前作も手に取って欲しいですね。