『老いた男』 トマス・ペリー | 固ゆで卵で行こう!

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時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

 

 

元工作員のダン・チェイスは35年前のある任務途中で、軍から行方をくらまし隠遁生活に。

 

妻を亡くしてからは愛犬たちと静かに暮らしていたものの、何者かの襲撃を受け逃亡生活を余儀なくされます。

 

有能な工作員として常に先を読んで対策を立てるダンの、名前も暮らしぶりも変え逃げ続ける様子は読み応えあり。

 

しかしダン、有能過ぎ?

 

ひたすら逃げ続けるダンですが、これまでの生活の中で立ててきた予防措置を活用し、身分を変え逃げ続ける姿は非常にクレバー。

 

もうちょっと危機に陥りそうでドキドキさせるなど、ヒリヒリとした緊張感をもっと欲しかったかも(笑)。

 

それにして、カモフラージュのためにシェアハウスで共同生活を送るようになったゾーイの好意を利用する姿も最初はどう受け止めていいのか分からないながらも、ダンとゾーイの仲が深まる事で二人が真に繋がっていくんだろうなと予想しながら読んでいると、思いがけない真実が明らかになる様子は予想の斜め上をいくものでしたね。

 

また、ダンと共に行動する事になるそのゾーイの他に、ダンを追う工作員ジュリアンについても、追う者と追われる者の矜持や二人の間にいつしか流れ始める友情めいたものが印象的で、ゾーイとダンのこの二人の未来が何より知りたくなったかも知れません。

 

ラストは印象的な場面でしたが、何か手に届きそうで届かないような描かれ方が不思議な余韻を与えてくれました。

 

 

ところで主人公のダンは60歳という設定ですが、60歳で老いた男と言うのは今の時代、ちょっとそぐわないような気もしますがどうでしょうね。