9月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:4356
ナイス数:500
老いた男 (ハヤカワ文庫NV)の感想
元工作員のダン・チェイスは35年前のある任務途中で行方をくらまし隠遁生活に。しかし何者かの襲撃を受け逃亡生活に。有能な工作員として常に対策を立てるダンの名前も暮らしぶりも変え逃げ続ける様子は読み応えあり。しかし有能過ぎてもうちょっとヒリヒリさせて欲しかったところはあるかな。けれどもダンと共に行動するようになるゾーイと、ダンを追う工作員ジュリアンの姿が印象的で、この二人の未来が何より知りたくなったかも。ラストは印象的な場面でしたが、何か手に届きそうで届かないような描かれ方が不思議な余韻を与えてくれました。
読了日:09月28日 著者:トマス・ペリー
地下道の少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)の感想
福祉国家スウェーデン。真冬のストックホルムで捨てられた子供達。存在しない事になっている多くの人達。女の子だからと見捨てられてしまう現実。グレーンス警部がアンニの容態悪化に気に病み精神的に自身を追い込んでしまう結果、周りの人も、救うべきアンダーワールドの住人達も追い込んでいってしまう様子は痛々しい。闇となるものを直視せず蓋をしてしまう社会のシステムそのものが現実問題として描かれているだけに、決して解決も救いも無く虚無感さえ抱くかも知れなけど、それが分かっていてもこのシリーズは読み出すと止められなくなります。
読了日:09月26日 著者:アンデシュ ルースルンド,ベリエ ヘルストレム
念入りに殺された男 (ハヤカワ・ミステリ)の感想
自身が営むペンションを訪れた著名な作家に襲われ殺してしまうアレックス。家族との生活を守る為、作家は生きていると偽装し改めて死んだ事にしようと、作家の生活の中に入り込み作家を殺す容疑者を捜すという企ては何とも斬新。元々持っていた自身の二面性を活かし作家の生活と彼が描く物語の中に入り込む中、思いがけない事態に直面してももう一つの人格が冷静に対処しようとする姿は危うさはあるものの、本来のアレックスよりも生き生きとしているかのよう。結末についてや回収されなかった伏線はどうなのかといった疑問も。続編で果たして?!
読了日:09月22日 著者:エルザ・マルポ
ストーンサークルの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)の感想
ストーンサークルで次々発見される焼死体。凄惨な事件の割に軽快に読めるのは、事件を追う国家犯罪対策庁の刑事ワシントン・ポーと天才的な情報分析官ティリー・ブラッドショーの凸凹コンビぶりと、少しずつ謎が解明されつつ新たな謎が生まれる様子がテンポよく展開していく部分が大きいかも。思わずクスリとするコメディ的な部分も楽しいのですが、ポーが自身の闇と向き合いつつ正義を貫く姿と、ティリーとの間に芽生える友情と連帯感、そして長年の友で共に捜査にあたるキリアンとの友情が胸を打つものがあり、期待以上の面白さでした!
読了日:09月21日 著者:M W クレイヴン
汚名(下) (講談社文庫)の感想
後半、麻薬捜査に関しては思ったよりあっさり解決してちょっと拍子抜け。とはいえボッシュにとっては命の危険があった訳で決してあっさりではないのですが(笑)。一方、濡れ衣を着せられそうになった過去の事件はリンカーン弁護士ミッキー・ハラーの活躍もあり解決されていく訳ですが、その描かれ方はスリリングで法廷ものとしての楽しみも十二分に。ハラーのやり方についてボッシュが決して理解しない様子も面白かったです。また麻薬中毒者に対する行動と冒頭の失踪事件についてボッシュの人となりが改めて、胸を打たれ熱くなるものがありました。
読了日:09月19日 著者:マイクル・コナリー
汚名(上) (講談社文庫)の感想
サンフェルナンド市警で嘱託刑事として勤務するハリー・ボッシュ。今では署内での彼の立場も良いものになっているよう。しかし過去の事件がボッシュを窮地に陥らせようとしているとかつてのパートナー、ルシア・ソトから報せが。一方、薬局経営の親子が銃殺された事件は、ボッシュを思わぬ場所へと誘い、二つの事件がボッシュを追い込む事になり緊張感が相乗効果のように高まります。そんな中で昔のパートナー、ジェリー・エドガーが登場し懐かしさと共に二人の関係性が改めて描かれるのが興味深かったですね。
読了日:09月19日 著者:マイクル・コナリー
娘を呑んだ道 (小学館文庫)の感想
3年前に消えた娘を捜し続けるレレの悲痛な想いが、北欧のどこか底が知れないように感じる自然と共に胸に迫るというか、迫り過ぎてレレと同じように痛かった。一方、メイヤがこれまで持つ事が出来なかった平穏を求める姿にも痛み似たものを覚えながら、決して明るい結末は求める事は出来ないと思いつつも、森の闇に飲み込まれるように没頭させられました。果たしてレレが捜し求めた娘は。そしてメイヤが求めていた愛の行方は。暗闇の中でも消えない光は煙草の炎のように小さいけれど、それは確かにそこにあると信じれれば生きていく力に。。。
読了日:09月14日 著者:スティーナ ジャクソン
つむじ風食堂と僕 (ちくまプリマー新書)の感想
〈月舟町〉シリーズ番外編。リツ君がつむじ風食堂で大人たちに職業を訊いていく様子が描かれるのですが、うん、働くってなんだろうと改めて考えられてしまいます。好きな事で働いてもそれが好きじゃなくなるかも知れないし、嫌々働いているかも知れないし、誰かのためとか考えられないかも知れないし、好きでなくとも誇りを持てるかも知れないしと、色々思いつつ読む中で、それぞれの終わりで何故だか目の奥がツンとするもの感じたりも。うまく言葉に出来ないけど、素敵なスピンオフでした。
読了日:09月11日 著者:吉田 篤弘
噂 殺人者のひそむ町 (集英社文庫)の感想
うぅ、怖かった。ほんのちょっとしたきっかけで悪意が広がり、それがブーメランとなって返ってくる様子。それが徐々に増幅され、不穏なものと恐怖感が煽られて読み進めるのも辛くなりました。けれども更に殺人者は本当に近くにいるのか。そしてそれが一体誰なのかといった謎も気になり、読みたいのに読み進めないジレンマと戦いました(笑)。ラストまで読み応えありましたが、最後はもうちょっとぼやっとしてくれた方が好みかな。
読了日:09月09日 著者:レスリー・カラ
秘めた情事が終わるとき (ザ・ミステリ・コレクション)の感想
【再々読】読めば読みほど真相が分からなくなったりして(笑)。
読了日:09月05日 著者:コリーン フーヴァー
集結 (P分署捜査班) (創元推理文庫)の感想
不祥事のあったピッツオファルコーネ署に集められたのは、はみだし者の刑事達。署の存続は彼らの働きにかかっている訳だけど、個性的な刑事達の描写が物語を引っ張ってくれて楽しく読めました。事件そのものは残りのページ数を見て「あれ、これ終わるのかな」と思ったけど、急転直下で一気に解決。ちょっと拍子抜けはしたけど、P分署の面々がこの先どう活躍し、やっかい者たちがどう成長するのか見守りたいです。
読了日:09月01日 著者:マウリツィオ・デ・ジョバンニ
読書メーター
9月は11冊(10作品)。
最も印象に残ったのは『噂 殺人者のひそむ町』(過去記事はこちら)。
ちょうど読書会のために再読した『秘めた情事が終わるとき』とは違った怖さがあって面白かったですね。
他には『ストーンサークルの殺人』も面白かったですし、〈ハリー・ボッシュ〉シリーズの新作も安定の面白さだったし、『念入りに殺された男』も期待してた以上でしたし、うん、読んだ本はどれもこれも面白かった月でした(笑)。
そんな『念入りに殺された男』のオンライン読書会…楽しそうですね^^
さぁ、読書の秋も本番。
ここ最近、本をめちゃ買ってしまって読むのが全くおっつかない状態ですが、モヒモヒ読んで少しでも積読を減らしますよ。