『あの日に消えたエヴァ』 レミギウシュ・ムルス | 固ゆで卵で行こう!

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あの日に消えたエヴァ (小学館文庫)

 

10年前、ヴェルネルは恋人のエヴァにポロポーズをするも、その直後に暴漢に目の前でエヴァが暴行を受けそのまま失踪。

それ以来、絶望の日々を送る中で友人が偶然フェイスブックでエヴァが写っている写真を見付けたのを手掛かりにエヴァを捜し始めるのだが・・・。

 

 

 

10年前に目の前で暴行を受けそのまま失踪した恋人エヴァを求めるヴェルネル。

 

そしてそのヴェルネルを助ける事で夫からのDVから逃れようとする調査会社経営者の妻カサンドラ。

 

事件の謎と緊迫感は二人の視点でスピーディに展開されるのでグイグイと読み手を引っ張ってくれます。

 

エヴァが暴漢に襲われる場面もですが、何よりDVの場面では胸が悪くなる一方読んでて怒りが湧いてくるくる描写も読み手を引っ張る一因となっています。

 

そういて終盤で明かされる事実に驚き、その上にもう一捻りある展開に思わず唸りつつ最後は一気読み。

 

週に3人がDVで亡くなるというポーランドの社会背景や、明かされる事件の真相のその闇によって読後感は決して良くはありません。

 

けれども、巻末の解説で「驚くぞ」と記されているように、確かに「ええっ」と驚かされる事や、果たしてこんなにうまくいくのかという疑問も含め、だからこそ読み終えると誰か他の読んだ人と語り合いたくなるサスペンス小説でした。