『黒と白のはざま』 ロバート・ベイリー | 固ゆで卵で行こう!

固ゆで卵で行こう!

ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

ロバート・ベイリー 「黒と白のはざま」 (小学館文庫)

 

テネシー州プラスキ、KKK(クー・クラックス・クラン)誕生の地で黒人弁護士ボーは幼少の頃にKKKの一団によって目の前で父を殺されていた。

そしてそれから45年後の父の命日に、ボーは復讐殺人の容疑者として逮捕される。

70歳の元准教授のトムは、かつての教え子であるボーから弁護の依頼を受け、ボーを助けようとするのだが・・・。

 

 

 

『ザ・プロフェッサー』に続くシリーズ2作目(過去記事はこちら)。

 

今回は前作でトムを助けたボーが窮地に陥るところから物語は始まります。

 

5歳の時にKKK(クー・クラックス・クラン)に目の前で父を殺され、その復讐の為に弁護士になったボーが、父を殺した首謀者を殺した容疑で逮捕されます。

 

ボーはトムに弁護を頼むのですが、もちろんトムは元教え子であり友でもあるボーために依頼を受け、若手弁護士のリックと共にボーの無実を証明する手掛かりを求め奔走します。

 

しかしボーが復讐しようとしていた事は周知の事でもあり、そのせいもあってボーの妻は子供たちを連れて出て行ってしまっているなど、状況はボーとトム達にとって悪くなるばかりの中で、更に追い打ちをかけるようにトムが調査から離脱しなければならない状況にまで。

 

前作でも感じたように、今回はよりアクション強めだったり、法廷劇の様子も最後のあれが無ければどうなってたのだろうかとか、少々大味な感じがするところはあります。

 

しかし、KKKの誕生の地についての歴史なども興味深く読む事が出来ましたし、本作は前作よりもミステリー度が高く、全編に渡ってサスペンスフルで前作以上に読ませます。

 

過去の事件の真相は予想されますが、ボーがトムを信じるように、トムもまたボーだけでなく友人を信じる様子が胸熱で、終盤の法廷の場面ではその熱さに涙すら溢れます。

 

全ての真実を知ったボーがそれを受け入れ前を向く様子もまた胸に込み上げるものがありました。