『ザ・プロフェッサー』 ロバート・ベイリー | 固ゆで卵で行こう!

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ザ・プロフェッサー (小学館文庫)

 

アラバマ大学の老教授トム・マクマートリーは法学者として教壇に立っていたが、信頼していた友と思っていた人物の裏切りにあり大学を去る事に。

既に妻を亡くしているトムは癌を患い失意の中で愛犬ムッソと共にひっそりと暮らしているところに、かつての恋人が現れ、娘夫婦と孫娘が死亡した自動車事故の真相を法廷で明らかにしたいとトムに訴えるのだが・・・。

 

 

 

自動車事故で娘夫婦と孫を失った女性が真実を求めて訴えを。

 

その弁護人となるのは新米弁護士リック。

そのリックを助けるのは、裏切りと病によって人生を諦めていた老教授トム。

 

自身の欲を満たすために真実を闇に葬らんとする事業主の工作がリックと依頼人を窮地に陥らせるものの、諦めず戦う事を思い出したトムの協力が法廷での逆転劇を生み出す様子はまさに劇的で興奮いたします。

 

悪人が分かりやす過ぎるぐらい悪人で、その悪人に利用される人物の扱いが可愛そうというか納得いかない部分も無きにしろあらずですが、トムを裏切った相手をギャフンと言わせる場面はやはり痛快です。

 

中でもトムを慕い信じる元教え子達が法廷に集う様子に胸が熱くなること間違いなし!

 

また、トムに再び人生を戦って欲しいと願い何かと力になるボーセフィスは、出番はそれほど多くないですが存在感が大きかったですね。

 

そう、そして何よりも、トムに戦う事を思い出させてくれた愛犬ムッソの姿には思わず涙で、愛犬家さんも必読。

 

今後もこのシリーズが紹介される事を期待して待ちたいですね~。