『おやすみの歌が消えて』 リアノン・ネイヴィン | 固ゆで卵で行こう!

固ゆで卵で行こう!

ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

おやすみの歌が消えて (単行本)

 

小学校起きたで死者19人を出した銃乱射事件。

その犠牲者の中には6歳の少年ザックの兄アンディもあった。

銃乱射事件とアンディの死によってザックの世界は一変し、家族はバラバラになる。

 

 

銃乱射事件によって10歳の兄アンディを失ったザック。

 

自身はアンディに普段から何かと苛められており、また、アンディの気性(ある障害を抱えている)によって両親の間で喧嘩も絶えない事もあり、そもそもアンディの事を好きに思えていなかったザックは、これで苛められず、両親の喧嘩も無くなり、家の中も平和になるだろうなんて期待するようになります。

 

しかし、息子を失った悲しみに暮れる両親。

 

なかでも銃撃犯とその親への怒りに満ちた母親の言動はザックが思うような平和な日常をもたらすどころか家族をバラバラにし、ザック自身も怒りや哀しみなど様々な感情に揺り動かされる事に。

 

それでも大好きな両親と一緒に暮らすために〈幸せのひけつ〉を求め、決して大好きだとは思っていなかった兄かも知れないけど、その兄の死によって誰かを愛したり誰かの為になりたいと純粋に願い、行動するザックの姿に何度も胸を打たれつつも応援したくなります。

 

事件によって心理的後遺症を受けるザックが、クローゼットの中の秘密基地で自身の感情を色分けし、一人で理解しようとする姿。

 

その秘密基地でザックの話を聞いた父親の姿と心の揺れ。

 

ザックが一人で家族を取り戻そうと奮闘し、その姿をついに直視できるようなる母親の姿。

 

その他、ザックの視点を通して描かれる一つ一つの場面に一緒になって心を揺さぶられます。

 

そして最後の家族の言葉には思わず号泣も、優しい気持ちに包まれる、少年の成長と家族の再生や絆の物語でした。