『贖罪の街』 マイクル・コナリー | 固ゆで卵で行こう!

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贖罪の街(上) (講談社文庫)

 

贖罪の街(下) (講談社文庫)

 

市政担当官補レキシー・パークスが殺された事件で、被害者の体内から検出された精液のDNAから容疑者として逮捕された男は弁護士ミッキー・ハラーの古くからの顧客だった。

ハラーの調査員が事故で動けない事から、事件の調査がハラーからハリー・ボッシュに依頼されてきたのだが・・・。

 

 

 

リンカーン弁護士であるミッキー・ハラーから、殺人事件で拘留されている容疑者の無実を晴らすために調査を依頼されるボッシュ。

 

これまで捜査機関の一員として検察側で働いてきたボッシュにとって反対側の立場になる事は難しい選択。

 

しかし無実の人間が拘留され真犯人は自由を謳歌している事をボッシュが簡単に許せるはずもなく、その使命感はやはり失われる事がないボッシュの姿に単純に胸が熱くなります。

 

その中で前作での相棒だたソトがボッシュに協力する場面で、ボッシュの捜査方法を学ぼうとする姿が印象的でした。

 

後半に入るとボッシュの捜査もガソリンが燃えるように一気に進みます。

 

かつての仲間達に裏切り者の誹りを受ける事は、ボッシュにとって胸が痛くなる現実です。

 

しかし真実を追い求め、犯人への贖罪を追求する姿が変わらないからこそ、ボッシュがボッシュたるゆえんでしょう。

 

そんな中で、リンカーン弁護士ハラーは危機感に欠けるような感じで描写されていましたが、最後は法廷で見せ場もちゃんと用意されているのがにくいところですね(笑)。

 

そしてその法廷で、最初は弁護側へと移った父の姿に反発を覚えていたマディが、最後にはボッシュに向ける信頼の笑みが見れたのが何よりも嬉しく、これはボッシュにとって何よりの報酬だったのではないでしょうか。