『その先は想像しろ』 エルヴェ・コメール | 固ゆで卵で行こう!

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その先は想像しろ (集英社文庫) その先は想像しろ (集英社文庫)
エルヴェ コメール Herv´e Comm`ere

集英社 2016-07-20
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世界的人気ロックバンドのボーカルが突如姿を消す。

身代金の要求も無く姿を消す理由も見当たらない。

一方、その二年前、二人のチンピラがマフィアの金を盗んで逃亡していたのだが・・・。

 

 

 

著者の前作「悪意の波紋」(過去記事はこちら)が面白かったので、昨年発売された本作も期待していたものの、読むのがすっかり遅くなってしまいました。

 

そして読了後は、今まで何故に積読にしていたんだと、自分を叱りたくなるような素敵な物語で、思わず人にお勧めしたくなりました。

 

 

しかしながら、第一章の最初はとっつきにくい部分は否めません。

 

ただ、読む進むうちに、まるで映画のワンシーンのように脳裏に鮮やかに浮かんでくるような描写もあって、徐々に登場人物たちが愛おしく思えてきます。

 

フランスのカレーのチンピラ二人。

そのチンピラのうち一人をある仕事で雇っていたマフィア。

そしてミュージシャンを夢見ているシンガー。

 

彼らがささいな事で繋がり、そして転がるように事態が動き出していく様子は、なかなかその先は想像しろといっても出来ないもの。

 

そして第二章、第三章と、それまでに描かれてきた事が覆るような事実が明らかになっていきます。

 

それらはほんのちょっとしたボタンのかけ違いなようなもので繋がっており、それだけに切ないものが。

 

でも、この物語の全編に流れていたもの、繋がっていたものは、それぞれ形は違っていても“愛”だと気づいた時に、とても胸がいっぱいになるという幸せな読書体験であった事に気付きました。