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凍てつく街角 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
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ある事情で休職中の身であるコペンハーゲン警察の捜査官トマス・ラウンスホルト、通称ラウンは酒に溺れる毎日を過ごしていたが、友人からの二年前から行方不明になっているリトアニア出身の女性マーシャを探してほしいという依頼を気が進まないながらも引き受ける事に。
しかしながら調べるうちに彼女の失踪には国際的な犯罪組織が絡んでいるのではないかと疑いはじめる。
妻が何者かに殺されそのショックで休職の身となり酒に溺れるコペンハーゲン警察の刑事トマス。
そんな彼が行方不明となった女性マーシャを捜すためにストックホルムの夜の街へと向かう事になる様子を、トマスとマーシャ、それにもう一人の人物の視点で時間軸も変えて交互に描いてます。
もともと自分自身を売り物にはしていたものの、それをやめようとしていた矢先に恋人からの裏切りによってマーシャは底なしの悪夢へと陥る事になります。
そんなマーシャの身に起こる出来事に、マーシャが生きているのか心配になりながら、そしてトマスが妻の死を受け入れて再び人生を取り戻せるのかが、徐々に高まる緊張感でもって描かれています。
さらに、若い女性を狙った猟奇殺人事件がマーシャの身に起こっている事とどう関係あるのかといった事ももう一つの軸として描かれています。
シリーズ1作目という事で登場人物の紹介的な感じもありますが、主人公のトマスがなんだかんだ言いつつ傷つきながらもマーシャを捜しだそうと一人奮闘する姿には熱くさせられますし、そんなトマスだからこそ周りの人物も彼が酒に溺れてどうしようもなくなっても身捨てずにいたのでしょう。
そういった意味で魅力的な部分も多いですし、シリーズのこの先を楽しみにしたいですね。