2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2889ページ
ナイス数:479ナイス
本屋さんのダイアナ
の感想
誰もがいつの間に、知らないうちに自分で自分自身に呪いをかけているのでは。そんな呪いを解けるのはやはり自分自身。けれども、なかなかそれが呪いである事も呪いを解くきっかけも自分では知り得なかったりするもの。そこで背中を押してくれる腹心の友がいればどんなに人生は素敵なものになる事でしょう。たとえ離れ離れになっても、境遇や立場が変わっても、肝心な時にすっと距離を縮められる本当の意味での友がいる事は何にも代えられない幸せ。そしてそれを繋いだのが本であるというのが全ての読書好きにはたまらないところではないでしょうか。
読了日:1月29日 著者:柚木麻子
紅の凶星 (ハヤカワ文庫JA)
の感想
あぁ、こんな日が来ない事を祈ってはいたけれど、やはりこの日が来てしまったのですね。その衝撃はあまりにも大きく、更なる罪を背負った彼の道はやはり血塗られた修羅の道でしかないのでしょう。怒涛の展開で物語は大きく転がっていきます。予兆がないままその時を迎える事にファンとしては賛否両論あるかも知れませんが、中原に吹き荒れるであろう嵐に備えたいですね。
読了日:1月29日 著者:五代ゆう
サヴァイヴ
の感想
「サクリファイス」「エデン」の前後にあたる物語を集めた、チカで始まりチカで終わる短編集ですが、石尾のサポートをする赤城を中心にして、ロードレースの過酷な現実とそこに身を置くロードレーサーの想いというものが伝わってきます。特に「俺をツール・ド・フランスに連れて行け」と石尾に言った赤城の言葉が、その世界で生き延びてきたチカの呪縛であり、また希望となって繋がっているのかと思うと震えるものがありました。そして、最後の物語で見せられる残酷で哀しい現実もまたチカにとって新たな呪縛や希望となるのではないでしょうか。
読了日:1月27日 著者:近藤史恵
ゴルフ場殺人事件 (1982年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
の感想
<ポアロ>シリーズ二作目。タイトルは地味(笑)。でも内容は本格ミステリとして出色の出来。沢山の伏線と手掛かり。計画性と偶然性によって事件は多面性をもち、ポアロ自身もなかなか全てを見通す事は適わず読者も翻弄されます。それにしてもヘイスティングズってお馬鹿さんなの?(笑) 前作でもそうでしたが、もうその惚れっぽさといったら国宝級(笑)。しかし、そんなヘイスティングズや事件の関係者も幸せにしてしまうのはポアロが“人の心を知っている”からなんですねぇ。あとジロー刑事が狂言回しとなっているのも面白かったですね。
読了日:1月27日 著者:アガサ・クリスティー
図書室のキリギリス
の感想
一冊の本から広がる、繋がる楽しさというのは読書好きの方ならきっと分かるはず。誰しも語りたい本があって、そこから波及していく世界を見届ける事が出来たならきっと幸せで、また、それを誰かと共有できれば尚更。物語としてはそういった楽しさやそれに関わった人たちの優しさにほっこりできるのですが、主人公の離婚の原因や前任者の退任の理由や、ダンブルドアな校長先生など、それぞれがもうちょっと一ひねりあって欲しく、その辺がちょっと物足りなかったかな。
読了日:1月25日 著者:竹内真
ねじまき片想い (~おもちゃプランナー・宝子の冒険~)
の感想
才能あるオモチャプランナーの宝子が、ひたすら片想いし続けるのは野暮ったい男。そんな男の為に探偵まがいの事をする宝子が、その際にひとの心のネジを巻きます。そんな宝子も自身のネジを巻いて先に進もうとします。でも、ネジを巻く事によって歯車が回り、それが他の歯車も回すように、ただ自己完結しているだけでは前へ進めない。ちょっと少女漫画のような展開ではありますが、宝子の周りの人が彼女を応援する様子などもあって、ほんわかと元気づけられる物語でした。
読了日:1月21日 著者:柚木麻子
スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-67)
の感想
クリスティのデビュー作にして名探偵エルキュール・ポアロものの一作目。一つ一つ事実から導き出し、足りないものを探して真実を明らかにできるまで、いくつもの伏線と沢山の手掛かり、そして何人もの容疑者を浮かび上がらせる事によって、ポアロが誘導していたものが明らかになる終盤の展開は見事。そして事件の背景にあるものが人間の普遍的な愛憎といったところがいま読んでも古臭さを感じさせませんね。さて、ポアロもの完読に向けて、これからじっくり読んでいきます。
読了日:1月20日 著者:アガサ・クリスティー
白の迷路 (集英社文庫)
の感想
シリーズ三作目。フィンランドを舞台とした警察小説として始まった一作目からこのような展開になる事を誰が予想したでしょうか。欧州各国で現在大きな問題となっている移民や人種差別などに正面から向き合った暗黒小説。衝撃的な展開を見せ闇の世界へと入り込んでしまった主人公が、より深い闇の中へと迷い込んだ先に待ち受ける現実。愛する家族を巻き込みながら、深い闇の中で見据える未来は?!シリーズ四作目は米国で出版されているとの事だが著者が急逝し、このシリーズがどのような展開を見せていくのかが確かめられないのが非常に残念だ。
読了日:1月15日 著者:ジェイムズトンプソン
エデン
の感想
『サクリファイス』の続編で舞台はあのツール・ド・フランス。スポンサーの撤退によりチーム解散の危機の中で描かれるのは、日本人としてロードレースで活躍し続ける事の難しさや、レースの舞台裏で広げられる駆け引きや暗黙のルール。そして「超弩級の呪い」を背負っているからこそ絶好のチャンスを目の前にしたチカに歯がゆい気持ちを抱くけれど、自分の力を自分らしく使う様子は清々しくもありました。そしてスター候補選手ニコラが背負う事になる「呪い」も、きっと彼の背中を押してくれる事でしょう。
読了日:1月12日 著者:近藤史恵
シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱
の感想
女性化現代版シャーロック・ホームズのパスティーシュ。ホームズだけでなワトスンも、マイクロフトもモリアーティ教授も女性化されています。脳内の映像はやはり英ドラマ「SHERLOCK」になるのですが、キャストは美しい女性ばかりに変換して読む事に。まずはシャーリーとジョーの出会いの場面からして面白く、「緋色の憂鬱」と名付けた事件のトリックは男性読者である自分には正直よく分からなかったです(笑)。しかし二人のコンビぶりは今後より楽しいやり取りが見れそうという事で、今後のシリーズ化に期待ですね。
読了日:1月9日 著者:高殿円
読書メーター
今年最初の月は10冊読了。
月の前半は徹夜勤務や二泊三日勤務で休みなしだったりして疲れもあって読めませんでしたが、後半は盛り返す事ができたかな。
今年の目標でもある国内作品を読むという事も早速できました。
そんな中での収穫はなんと言ってもジェイムズ・トンプソンの『白の迷宮』。
いやはや、このインパクトに勝てるものなし!
著者が急逝されてこのシリーズも残り一作品のみのようなのが残念でなりません。
そして国内作品では本屋大賞にもノミネートされた柚木麻子の『本屋さんのダイアナ』が評判通り面白かったですね。
更にグイン・サーガの最新巻、五代ゆうの『紅の凶星』もまた強い印象が残りました。
更にクリスティの〈ポアロ〉シリーズ完読計画もスタートできて、なかなか充実した1月でした♪