『金魚鉢の夏』 樋口有介 | 固ゆで卵で行こう!

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金魚鉢の夏 金魚鉢の夏
樋口 有介

新潮社 2014-06-20
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社会福祉制度の大胆な改革により経済大国に返り咲いた日本。

警察も経費削減で事件によりランク分けして捜査を。

山奥の福祉施設にて怒った老婆の転落死亡事件を、警察より委託され元刑事の幸祐は、夏休み中の孫娘・愛芽と共にその施設を訪れ調査を始めるのだが。





生活保護費の支給も廃止して、生活保護対象者は「希望の家」と呼ばれる施設に集めて共同生活をさせる。


犯罪者の刑務所での生活を税金でまかなう事を廃止し、自腹で払えない犯罪者は人権も得られない「流刑島」と呼ばれる無人島へ島流し。


また、犯罪も事件の重要度によってランク分けして警察の捜査方法も変えるといった大胆な改革で経済大国に返り咲いた近未来の日本が舞台。



その「希望の家」で起きた老婆の転落事故の調査を元刑事の幸祐が警察より委託されて捜査を開始。

単なる事故と当初は思われたものの、調査するうちに転がるように様々な事柄が浮かびあがっていく、隠された秘密。


それらが著者らしいユーモラスで皮肉めいたセリフや行動を取る登場人物でもって描かれていくのですが、明らかになっていく事件もその裏にある真実も、いくつも拡散されて描かれているせいか、ちょっと散漫な印象を受けてしまうのが残念なところ。


ただ、近未来の日本を通して現代日本を風刺し、著者が見せる人間の本質は恐ろしくもあり、また優しいものでもありました。