『三秒間の死角』 アンデシュ・ルースルン& ベリエ・ヘルストレム | 固ゆで卵で行こう!

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麻薬組織の中に潜り込んだスウェーデン警察の潜入捜査員パウラ。

ついにその中枢にまで上り詰め、組織を壊滅する為の計画を実行する時が来る。

だが、潜入捜査員の事を知らないグレーンス警部は、パウラの関わった殺人事件の捜査でパウラに迫りつつあった。



制裁 』 『ボックス21死刑囚 』に続くシリーズ5作目です。


出版元が無くなってしまい、こに傑作シリーズの続きが読めなくなるのかと嘆いていたら角川さんからこうやって本作が出ると知った時は狂喜乱舞したものです。


なぜかシリーズ4作目を飛ばしてこの5作目が出たのは残念なところですが、しかしながら本作はこれまで日本に紹介されていた三作に勝るとも劣らない傑作でした!


読み始めてすぐに漂う緊張感。

そのヒリヒリするような緊張感がもう半端なく、読み進めるのが辛いぐらいで、上巻を読み終えるのに数日かけてしまったぐらい。


しかし前半はその緊張感から読み進める事が出来なかったものの、後半に入ると今度はその緊張感からページを捲るのを止められなくて寝床で読み始めたら結局最後まで一気読み。


結末は予想を違わないけれど満喫させてくれたのはピート・ホフマンの強さ。

そしてエーヴェルト・グレーンス警部の弱さといった人間味もしっかりと描けているところが大きいのではないでしょうか。


あまり内容については知らずに読んだ方が楽しめること間違いないので詳しい感想は避けたいとことですが、第2回翻訳ミステリー読者賞を受賞したのも納得で、思わず妻にも読むように半ば強制的に勧めたぐらいです(笑)。


映画化も決定しているらしいですが、確かに本作は映像的でもあります。

そして未訳のシリーズ4作目の方是非とも紹介して欲しいところですね。