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トーキョー・クロスロード (ポプラ文庫ピュアフル)
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高校二年の栞が密かに続けている休日の楽しみは、髪も整えず、普段はコンタクトのところを眼鏡をかけ、ダーツで当たった山手線の駅で降り散策する事。
そんなある日、栞は休日の密かな行動を取るようになったきっかけを作った、中学時代の同級生・月島耕也と偶然出会う。
中学三年の時に転校してきて、一時期だけ同級生として過ごしただけの耕也。
ほとんど接点がなかったけれど、あるきっかけで耕也に恋してしまう栞。
常に彼女がいる耕也への想いは秘めたものとして心にしまい、その喪失感を埋めるように休日の散策を続けてきた栞の前に現れた耕也に、再び胸のざわめきを隠す事が出来なくなります。
周りから優等生のように見られている栞。
けれども本当の自分を隠してきた事は、自分自身でも気付かない、というより気付かないようにしてきたのでしょうか。
一児の母である同級生。
甘えんぼうの同級生。
しっかりものの同級生。
そして夜の街でサックスを吹く同級生。
耕也と再会してから、抑えてきた本当の自分を引き出してくれるのはその同級生たち。
本当の自分を隠し、また、抑えていても、それを見通してくれる人が自分では気付かないながらも、そうやってそばにいてくれるのは幸せな事なのかも知れないですね。。。
それにしても本書に流れる雰囲気がいいですね。
少しドライな空気は、誰もが栞のように本当の自分を抑えている部分を多かれ少なかれ持っている様子や、栞のもつ喪失感をよく表して切なく、栞が守ってきたものを耕也と栞が二人で壊してしまいそうになった時の様子も、栞と同じように胸が痛むかのような感覚を覚えます。
そしてそれが、栞や耕也が自分の心の中のものに素直に従い行動を起こすラストが鮮やかなものとして映るように活きてきていました。

