『魔術師(イリュージョニスト)』 ジェフリー・ディーヴァー | 固ゆで卵で行こう!

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魔術師(イリュージョニスト)〈上〉 (文春文庫)/ジェフリー ディーヴァー
魔術師(イリュージョニスト)〈下〉 (文春文庫)/ジェフリー ディーヴァー
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<リンカーン・ライム>シリーズ第5作目。


今度の犯人は魔術師(イリュージョニスト)。

犯行現場から、そして犯人に迫る捜査陣の前から見事に消え、連続見立て殺人をする犯人に、ライムとサックスは翻弄されます。


しかし犯人がマジシャン、もしくはその修行経験者であると見抜いたライムが、捜査陣に引き入れたイリュージョニスト見習いのカーラの助言などもあって、僅かな遺留品などから犯人を追い詰めていく過程は展開も早くて実に面白い。


「どんでん返し」が代名詞となったディーヴァーの真骨頂がこのシリーズの特徴ですが、本作もどんでん返しの連続!

すっかりどんでん返しに慣れてしまった読者としては、残りのページ数から「まだある」と思いつつ読み進める事になるのだけれども、それでも気持ちよく騙される。


特にラストのどんでん返しは、なんとも嬉しいどんでん返しじゃないでしょうか。

こういったハッピーエンディングというのは珍しいので、読了感の気持ちよさと相まって嬉しかったですね~。



しかし・・・この犯人、これだけの事が出来るんだから本当はシンプルな計画で実行すれば完全犯罪を成立できたんじゃないでしょうか。

もっともそれを言ってしまえばエンタメ小説として成り立たなくなっちゃいますし、このシリーズそのものの存在の意味が無いか(笑)。