『彩雲国物語 -黎明に琥珀はきらめく-』 雪乃紗衣 | 固ゆで卵で行こう!

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彩雲国物語  黎明に琥珀はきらめく (角川ビーンズ文庫 46-16) 彩雲国物語 黎明に琥珀はきらめく (角川ビーンズ文庫 46-16)
雪乃 紗衣

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“彩雲国”シリーズ16巻目。


藍州から王都に戻った秀麗と王・劉輝の元に届いた知らせ、それは絳攸が投獄されたというもの。

吏部侍郎として上司の黎深の職務怠慢を止められなかったからという理由からだけど、秀麗の同僚である清雅が絳攸失脚に関して動いており、それに対して秀麗は絳攸の弁護にまわります。


けれども絳攸投獄の裏にはそれ以上の理由が隠されていて、それは秀麗自身にも関わってくる問題でもあり、そして王座転覆を狙った陰謀も影に蠢いている様子が垣間見えます。


宮廷の中で繰り広げられる陰謀は、これまでの伏線がいよいよ活かされ始めた感じで、新たな謎と共にこれからいよいよ本格的な動きが見れそうです。


王・劉輝サイドの旗色は今のところ悪そうですが、秀麗を始めとして劉輝自身も、そして絳攸や楸瑛も今回の事によって大きく成長したのではと思えます。

明らかにされていく陰謀の前に成長した彼らがどう立ち向かっていくのか楽しみであります。



ところで今回最も印象的なのはやはり黎深と絳攸の関係ではないでしょうか。

言葉には出さずとも相手を想う気持ちは一緒で、何を考えているのか分からなく見えた黎深の心が見えた時は感動的ですらありました。