『ダンテ・クラブ』 マシュー・パール | 固ゆで卵で行こう!

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時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

著者:マシュー・パール  訳:鈴木 恵
『ダンテ・クラブ (上巻)』 (新潮文庫)
著者:マシュー・パール  訳:鈴木 恵
『ダンテ・クラブ (下巻)』 (新潮文庫)

ダンテの『神曲』の初のアメリカ翻訳の完成と、ダンテを保守的なアメリカ文学界から守ろうとせんとする詩人のロングフェローを中心とした「ダンテ・クラブ」の面々は、そのダンテの『神曲』の「地獄編」さながらの猟奇的な死体が、それも著名な人物のものが連続して発見されている事に気付く。

果たして犯人は何者なのか。

そして何故「地獄編」の劫火に見立てて殺人は行われているのか。

「ダンテ・クラブ」の面々は、アメリカにおけるダンテを守るため、また自分達に嫌疑がかけられないようにと自分たちを守るために犯人を捜し始める。





舞台は1865年のボストンとケンブリッジ。

南北戦争の影響を受ける街中で、奴隷問題や人種差別、そしてアメリカ文学の歴史を軸に、ダンテの『神曲』の「地獄編」で描かれる劫火を模した殺人事件の真相を、史実と実在した人物を主人公たちにした歴史ミステリー。


正直最初は読むのに手間取りました。

最初、話の中に没頭できなかったのは「ダンテ・クラブ」の面々が、誰が誰なのかいまひとつピンとくるような個性がなかなか感じ取れなかった事や、舞台背景となる時代考証や実在した人物たち、それにダンテの『神曲』に対する解釈といった描写に、自分の勉強不足からのせいもあって馴染めなかった為だろう。


しかし、連続して行われている殺人が、「地獄編」の劫火を模していると「ダンテ・クラブ」のメンバーであるホームズ医師が気付いた頃からミステリーとしての面白さが前面に出てきて乗っていけました。

特に後半、真犯人にいよいよ迫ってくる辺りは。


ただ、真犯人に関してはいまひとつピンとこなかったですね。

悪くは無いのですが、猟奇的な行いを続けてきた犯人だけに、その犯人についての描写がもっとあれば良かったのでは、と。

あと、序盤で警察署で死んだ人物はいったいなんだったのかとツッコミ入れたくなりましたが、これは自分の読み方が間違ってた?(汗)


「ダンテ・クラブ」の面々の友情など、他にも見所もあるのですが、こちらももう少し書き込みがあればより深く感情移入出来たのでは。


もっともただでさえ長い物語なので、あれもこれもと詰め込むとダラダラとした感じになってしまうので、その辺のバランスの取り方が難しかったかも知れませんね。



なんにせよ、読了後はダンテの『神曲』を読みたくなったり知りたくなったりする事だけは間違いないので、そういった意味で著者の想いは成功しているのではないでしょうか。