- 著者:坂本 康宏
- 『逆境戦隊バツ「×」〈1〉』 (ハヤカワ文庫)
コミケで同人誌やフィギアを買うのだけを楽しみに生きてるオタクで落ちこぼれな騎馬武秀は、自分が勤める来見食品の唯一の友である同僚のマンションを訪れた時、信じられないものを見る。
そして自身に危機が迫った時、騎馬は突如赤い光りに包まれて・・・!
主人公は運動オンチ、チビで最近太り気味、更に若ハゲで悩みかつらまで装着してしまっていて、同人誌やフィギアに目が無いオタクで、会社では落ちこぼれの烙印を押されている。
うーん、なんともヒーローとは対極にいるじゃないか(笑)。
そんな主人公が、自身が勤める会社の開発した食品の副産物によって生まれたノエシスと呼ばれる怪人と戦う正義の味方に変身する事に!
各個人が持つ特質によって、ノエシスになる壁を越えてヒーローに変身できるという。
こうして騎馬は同じく変身能力を有するキャリアウーマンの実報寺と共にクルミレンジャーとして戦う事になるのだけど・・・。
苦悩するヒーローという図式はとても好きなのだけど、こんな風にコンプレックスの固まりのような主人公がヒーローというのは、なんとも面白い設定ですね(笑)。
戦隊ヒーローもののパロディ的な物語かも知れないけど、まだ色々と語られてない部分が多いもののちゃんとSFとしても楽しめる。
今後の展開に期待!