小沢一郎さん横浜での演説です
長文ですが、是非お読みいただきたい❗️
今日,昨日と,ニュースで大々的に報じられております,イギリスがEUから離脱いたしました。その結果,株が大幅に下落し,金融市場も混乱いたしております。もちろん私は,このことが世界の経済そしてまた日本の経済に,すぐさま大きな影響を与えるとは考えておりません。
しかし私がむしろ心配しておりますのは,イギリスでEU離脱ということになりますと,今度はイギリス国内で,スコットランドの独立というような,日本では信じられない,イギリスが半分に分かれてしまうというような政治的な混乱が予想されます。
そしてまた欧州の各国におきましても,直接的には中近東やアフリカからの難民の問題でございますけれども,EUに対する非常に批判的な懐疑的な勢力が台頭しておりまして,その他の地域でも政治的混乱が引き続き起こることが予想されます。
ヨーロパは地球の反対側,この日本からは遠い国のできごとでありますけれども,しかし皆さん,日本が位置するこの北東アジア,極東は,隣りに中国という巨大な国を控え,また,朝鮮半島を控え,実を言いますとヨーロッパより遥かに遥かに不安定な地域であります。
そして,ちょっとした経済的混乱が,大きな大きな政治的な変動を呼び起こす可能性があります。
皆さんもご承知のとおり,急成長を遂げた中国経済は,今,下降線をたどっておりまして,まさに中国の経済バブルが崩壊しつつあると言われております。そしてそれに合わせるかのように,中国の影響力が小さくなればなるほど,朝鮮半島・北朝鮮の軍備の拡大,個人独裁のあの国の憲政は逸走を増しております。
ですから,そういう意味において,日本はまだまだ平和で,そして世界の国に比べれば豊かな経済生活を送っておりますけれども,今度の英帝国のEU離脱に象徴されるような政治的混乱が,この極東アジア,北東アジアの,私たちが住んでいる日本の,この周辺に大きな混乱を起こしかねないということを実は私は心配をいたしております。
そしてとくに,こういうときになりますとね,日本にはどういう考え方が,どういう風潮が出てくるかと言いますと,大変なときなんだから挙国一致内閣,挙国一致だ。こういう言葉がマスコミをにぎわすことになります。
挙国一致と言いますと,「大変! そのとおり,そうしなきゃダメだ」というようにお考えの方がおられると思いますけれども,これは大変な間違いであります。
非常時だから挙国一致だと言って国民を不幸のどん底に陥れた歴史の過ちをくり返してはなりません。
どんなに大変なときでも,与党と野党が,あるいは色々な人が,意見を闘わして,そしてより良いものを求めていく。皆で決めたことについてはまた,皆で協力する。
一日も早く日本を,そういう,ほんとうに民主主義がきちんと作用する社会,民主主義がきちんと根付いた国にしなければ,この色んな波瀾と混乱の世界の流れの中で,日本はその大きな波に翻弄されて沈没しかねない。
私はそういう意味において,これからの経済はもちろんですが,列藩を取り仕切る政治のあり方というのが非常に大事になってくると思います。
今の安倍さんを交代させなくちゃならない,替えなくちゃならないと,野党が言いますけれども,この根本的な問題,基本的な問題は,何か。
今言ったように,「大変なときなんだから挙国一致だ,俺の言うとおりしろ」こういう考え方を安倍さんが,ややもすれば持っているからなんです。<人びと・拍手>
これではね,国民のいのちと暮らしを守ることはできない。
日本のつい最近の歴史が示すとおりです。
「皆で挙国一致だ。一億火の玉で」そして色んなさまざまな意見を完全に封じてしまう。
特定の人,特定の人たちの意見のままに突っ走る。
それが大きな過ちを犯したことは,皆さまもご存知のとおりであります。
今,参議院の選挙ですが,安倍さんが(衆議院)選挙終わってから,衆議院の選挙で自公で3分の2を取ったその時点から,皆さん,どうですか。
選挙のときは何も言わなかったことを,どんどんやるし,言ったことは実行しないし,好き勝手気まま勝手にやっていく。
そして今日この世界的な混乱の中で,日本がほんとうにその風に曝されるということになると,今言ったようなことになりかねない。
⭐️【私はそういう意味でですね,ほんとうに日本に早く,民主主義を,ほんとうの民主主義を。 お互いに議論し合い,お互いに意見を交換し合って,その中から結論を見出していく。こういう形にしなければならない。そのように思っております。】
私が,安倍さんの基本的な問題,体質について,考え方について,反対するのは,今言ったようなことであります。
具体的に申し上げれば,安倍さんは自由競争・最優先だと言います。市場原理・最優先だと言います。そしてその下に色々な「規制の撤廃」これを旗印に,実は国民の生活を守っているセイフティ・ネットを,少しずつ,少しずつ,壊そうとしております。
皆さん,ほんとうに,キレイな言葉に騙されてはいけない。
私ももちろん,不必要な(規制は撤廃するべきだと),官僚にとってだけ必要だけれど,国民にとっては非常に不便な必要のない規制は撤廃しなきゃならないと,そう思っております。
しかし,たとえばね,雇用の問題でも,今,安倍さんは「雇用が増えた,増えた」 と言います。しかしそれは,非正規の雇用が増大した結果であります。私はもちろん非正規であれ当面の収入を得るための効果を否定はいたしませんけれども,これはまさにですね,企業の論理に立ったものであることは,皆さん,おわかりでしょう。
企業にとって一番の経費節減というのは,人件費の削減です。非正規というのは,給料も少なくていい,社会保険も払わなくていい,景気悪くなりゃあすぐクビにできる。そういう形の中で,さらにもっともっと進めようとしているわけですね。
それからまた,TPPと関連いたしますけれども,都会に住む方はTPPと言うとこれは農業のことじゃないかというふうに感じておられる方が多いと思います。しかし,TPPのほんとうの恐ろしさは農業じゃないんです。農業はある程度,国民が皆さんで少しずつ支え合えば,日本は自給できます。やっていけます。
しかしその中でたとえば恐ろしいのは,医療。
日本は国民皆保険ですよね。誰でも,病気になれば保険の適用を受けてお医者さんにかかれる。
ところがこの日本の皆保険制度に穴を,風穴を開けようとしているのがTPPなんです。
「自由診療」という名の下に,結果的に皆保険を崩壊させることになりかねない。
皆さん,アメリカではね,病気になってもお医者さんにかかれない人が5000万人いるんですよ。3億の人口ですから,日本の3倍近くいますが,それでも5000万人のひとが医療のサービスを受けられないんです。
なぜですか。
アメリカは,皆保険じゃないんですね。自分の収入で民間(会社)と保険契約をして,病気のときに(医療)サービスを受けられるという形ですから,収入の多い人でなければ,民間(会社)と医療の保険契約を結べない。
だから5000万人もの人が医療のサービスを受けられない状況になってるんです。
ですからそういう意味でね,私ども,TPPは反対なんです。
私も田舎の出身だから「あいつは田舎だから反対してんだ」というんじゃないんです。
アメリカの社会のシステムを日本に導入しよう。日本だけじゃありませんが,とくに日本が巨大な市場ですから,これを日本に適用させようというのがアメリカの狙いなんです。
しかし,皆さん,今やアメリカでも大統領候補,色々議論してるでしょ。その大統領候補の中でさえ,TPPはアメリカにっとてもあまり良い結果をもたらさないから考え直そうと,そういうことを候補者同士の議論で言ってるんです。一昨日かな,ヒラリー・クリントンもTPPは見直さなきゃいけないと言ってる。
アメリカでさえそういう議論が出ているのに,日本の安倍内閣は,そしてかつての甘利さんは,一生懸命になってアメリカ以上にTPPを推進しようとしている。
この矛盾を,ほんとうに国民の皆さん,お考えいただかなければならない。私はそのように思っております。
もちろん,この他にも色んな問題点があります。
とにかくTPPというのは,グローバリゼーションという名の下のアメリカナイゼーションなんです。
私も二度三度とアメリカと(交渉をした)。貿易摩擦でね,大政治問題になって 「 お前,行け 」つって交渉させられた経験があります。
皆さん,今携帯電話,ぜんぶ持ってるでしょう。この携帯電話の交渉に行かされたのが実は私でした。当時は,携帯電話はNTTが独占していた。携帯電話と言っても,もの凄いでっかいトランクみたいな鞄を持って歩かないとだめだった。鞄持つ人と喋る人と,2人いないと(使用)できないような状態だった。これが独占の弊害なことは事実だった。アメリカで今の携帯電話と同じような(形の)ものを,セルラー。モトローラという会社が開発しました。こんな便利なものを,何で日本は導入しないんだということでね,政治問題になった。誰も嫌がって行かない。「お前,行け」という話になって行ったんですが,そのときにもね,ほんとうにアメリカの主張というのは(強硬なものだった)。
僕はアメリカ人嫌いじゃないですよ。一般のアメリカ人は人が善過ぎるほど善くてね,良い連中ばかりです。だけど,それをリードしているいわゆる支配層の人たちは,日本なんて相手にしてない,腹の中では。
私に最初に言った言葉は何か。「日本人はウソツキだ。約束したこと,守らない」そう,私に言いました。
私は「 冗談じゃない。今までどうだったかは知らんが,俺は約束したことは守る。しかし,我々の主張はちゃんと聞け 」
こうワンワンワンワン言いながら交渉がなされたわけですけれども,結果として携帯電話が日本に導入されました。そして瞬く間に普及して,その結果は国民にとってもアメリカにとっても良かったんですけれども,しかしながら,そのようにアメリカは自分がこれがどうしてもやりたい,売り込みたいというときには,政治的な圧力を加えながらも,必ず実行しようとしております。
いずれにしろ,そういうTPPの問題が1つあるし,また安倍さん,色々言っておられます。安保の話ですね。安保関連法。戦争法と言う人もいます。
集団的自衛権だとか個別的自衛権だとかいう硬い言葉で喋ると,皆さんも,ちょっとどう違うのかな,どういうことなのかな,というふうにお考えになる方も多いと思います。
自衛権というのは,要するに正当防衛権です。self-defence セルフ・ディフェンス,英語では同じ言葉だと思います。
正当防衛ですから,私たちも皆さんも,変な人から殴りかかられる,攻撃を受ける,そのときには自分で反撃するということは,当然のこととして,これは何も悪いことじゃないですよね。それが正当防衛です。
国家も同じです。日本に対して攻撃があった,そういうときに正当防衛すなわち自衛権を発動して,それに反撃する。これは当たり前のことであります。
しかしながら,今,安倍さんが進めようとしているのは,そうじゃないんですね。
自分が攻撃されたわけでもないのに,日本と遠く離れたところのかけ離れた紛争にですよ,アメリカと一緒に出かけていって,アメリカの側=一方の側について,相手をやっつけることができるという話です。
要するに,他国の紛争に,日本と関係のない紛争に,戦争に,出かけていって「自衛権」すなわち自衛隊を派遣して,武力の行使ができるという話なんです。
これは,私は,憲法にも違反する。これは皆もそう言いますね。
憲法にも違反すると同時にですね,人類の歴史に反するんですよ。
何のために人類は,第一次大戦,第二次大戦という大変な犠牲を払って,その結果,やはり世界の平和,皆で力を合わせて,平和を守りましょうという合意に達して,それで国際連合を作ったわけです。
ですから,私の意見は,日本と直接関係のないところの紛争については国際連合を中心とした平和維持活動に任せるべきである。そしてもちろん日本は,この国連の活動に積極的に参加するという原則をきちんと作らなきゃならない。
私の意見はそういうことです。
そうするとね「だけども,国連はアテにならないんじゃないか」「国連はそんな力ないんじゃないか」というふうに言う人が多い。
だけど皆さん,たしかに国連はまだ力ありません。国連が力がないからと言って,それじゃ自分で軍備を拡張して拡大して守らなきゃいけないという論理になったら,どうなりますか。
全部それぞれの国が,軍備をどんどん拡大して,軍拡競争になって,挙げ句の果ては歴史のくり返しになるんじゃありませんか。
私はそういう意味でね,たとえ国連がまだ力がなくても,皆でそれを盛り上げ,とくにこれ以上言いませんがアメリカを参加させて,そして国連の力を強めて,そうして世界の平和を守る。
日本はきちっと自衛の範囲を定め,そして国際平和については国連に対して協力する。
こういうふうにしなきゃいけないと思うんですが,安倍さんは違いますよね。やっぱり安倍さんは,彼の真意は,経済大国たる日本は軍事的にも世界で影響を持つ国にならなければならない。そういう考え方だろうと思います。
私はそういう意味において,非常に危険であるということを申し上げているわけであります。
政治は,生活です。
私たちは,ですから「生活の党」と党名まで付けました。
国民のいのちと暮らしを守れないで,何で政治ですか。
安倍さんのように自由競争そのまんまほっといたら弱肉強食。強い者だけが生き残る世の中になってしまう。これではケモノの世界と同じじゃありませんか。
私は,そういう意味において,国民にとって必要な,規制という言葉を使えば規制,いわゆる社会保障の制度。たとえば年金,医療,雇用,あるいは農村で言えば農業の生産を保障する制度。
そういう,国民が安心してきちっと一定の暮らしをできるようにするために考えられている制度,セィフティ・ネットは,絶対守っていかなければなりません。
⭐️⭐️【ほんとうに今の安倍政権は,とても危うい。このまんまだとね,どっちへ突っ走るのか,日本の社会をどうしようというのか。ほんとうに私は,危険な政権だと思います。
かつて私も自民党にいました
自民党は,小泉さん以来なんですけれども,安倍さんの考え方とは全然違っていたんですよ。
安倍さんは,だからほんとうは自民党政権じゃないんです。異質な政権なんです。
自民党ちゅうのはね,都会の人やマスコミからね,自民党は田舎出の奴が多いから田舎のことばっかり重視すると言われながらもね,富の再配分を公平にすると。日本中どこにいても安心して暮らせるようにしようというのが,自民党の政治の哲学だった。
これは千数百年前にさかのぼる仁徳天皇の逸話にもあります。
ある日,都を眺めたら,ご飯どきなのに民のかまどから煙が上がらない。なぜだ。それは皆が非常に生活が苦しいんですよという説明を受けて,仁徳天皇は税金を免除した。自分の宮廷の生活費も切り詰めて,そうして民を救ったというのが,古代から伝わっている逸話であります。
私は,これが政治の本質であり,政治の役目,使命だと思っております。
そういう意味においてほんとうに「生活が第一」「国民の生活が第一」という考え方。今言ったように仁徳天皇以来,日本の政治の哲学なんです。
だからかつての自民党もその考えを持っていたんです。
ところが安倍さんは,ガラッと変えた。自由競争でしょ。勝った者が残りゃあいい,負けた奴は仕方がないんだと。
今,企業のフトコロに366兆円のお金が溜まっていると言われてますね。会社の社員やなんかの人皆に,いっぱいそれを配ってくれたらいいですよ。
安倍さんは,いずれこの儲かった分から国民皆に滴り落ちるだろう,オコボレがそのうちいくから,と。
皆さん,こんな政治の考え方ってありますか。
私は,その考え方,基本が間違っていると!
だから私は安倍政権に反対しているんです‼️】
どうか皆さん,ほんとうにね,今度の選挙は参議院選挙だから,自民党の政権そのものを替えることはできません。
しかし,ここで野党がなぜ,4党結束したのか。
それは,安倍さんがほんとうに日本の将来にとって,国民のいのちと暮らしを守るという政治の原点から踏み外しているからです。
私はここで野党がきっちりと勝利を収めれば,少なくとも安倍さんは退陣せざるを得ません。
どうか,そういうことをご理解いただきながら,この参議院選挙に臨んでいただきたい。
一番心配されるのはね,「どうせ自民党政権替わらないんだ。投票に行ったって仕方がない」という人たちが多くなると,投票率が大変下がります。そうすると,自民党・公明党が,また支持を減らしながらも議席を増やすということになります。
皆さん。日本は民主主義国家だと皆言いますね。口開きゃあ民主主義国家だと。国民主権だと言います。
主権とは,国の最後の方針を決める権限がある。権力,それを国民が持っているから国民主権と言う。
だけど,この民主主義の社会で,その主権を,皆さんが持っている権限を行使するのは,選挙しかありません。
最初に言ったキャメロンさんも,結局自分の主張が否定された。だから,辞めるということになったでしょ。
それが民主主義です。
そして,次の人がまた替わって,違う考え方の人が出てくるんでしょう。その人が,政権を担う。そしてその政権のやり方を見て,国民が,また次の選挙のときに選ぶ。
これが,民主主義です。
どうか皆さん,そういう意味でね,「どうせ変わんないんだから」という考え方は,民主主義の中では,一番いけないことであります。
今日街頭にお出ましの方々はおわかりのことと思いますが,1人でも多くの方が,もちろん自分の判断で,ぜひとも政権をきちんと選んでいただきたい。
私はそのことを心から願うものであります。
そして,我々も,今回,野党全部が一緒になるということはできませんでした。しかし,この神奈川県は別として,田舎の1人区では,4党が一緒になって1人の候補を推すことになりました。
私もまあまあ,これでも第1歩進んだと,そう思っております。
ところがね,此間のテレビ見た人も多いでしょ。
安倍さんも,公明党の山口さんもね,「共産党と一緒になる,けしからん,けしからん」 つってる。
別に一緒の党になるわけじゃなくて,選挙で,安倍さんよりはマシな候補者を選んでくださいということなんです。
その自民党はね,かつて,どういうことしました?
私ども,自民党から出て細川政権を作った。その後,羽田政権のあと,自民党は何した?
権力を欲しいために(1994年,自社さ連立・村山内閣),そのときの社会党は自衛隊は違憲だと言ってましたよ。その社会党を総理にしたんじゃないですか。
そうでしょう,皆さん❗️
自分たちが権力を欲しいためにですよ❗️
『今,私たちはね,何も志位委員長を総理にしようと言ってるんじゃないです。
ただ,より良い,より良い政治を実現するために,皆で力を合わせようと言ってるだけなんです』
どうぞ皆さん,そのことをご理解たまわりながら,どうか皆さんのお力添えを最後まで,そして私ども小さな政党ですが,生活の党に対しましても,力強いご支援たまわりますようお願いを申しあげまして,ご挨拶といたします。
ありがとうございました。