「グラインドハウス」とは、エクスプロイテーション映画やB級映画などを2・3本立てで上映していたアメリカの映画館のこと(Wikipedia調べ)。日本で言えば、ホラーやカルトのようなマニアックな映画を好んで上映する、名画座や地方の映画館の類であろう。『プラネット・テラー』は、そんな映画館で上映されている雰囲気をまとった、お色気ゾンビ・アクションである。もう、それだけでワクワクであるのに、お色気もゾンビもアクションも最高の代物なのである。
物語を簡単に説明すると、謎の経歴を持つ男とポールダンサーだった元恋人が再会、ふたりは生物化学兵器のガスを浴びてゾンビ化した町民に襲われ、テロリスト軍団と大立ち回りを演じる。難しくはないし、それ以上でもそれ以下でもない。ただ、上映時間1時間45分の間に、めちゃくちゃハイテンションな映像がぶち込まれているのだ。おもしろくないわけがない。その一端を少しだけ説明する(ネタバレ)。
<おもしろくないわけがない理由>
◯謎の解体屋が実はもと有能な軍人(テンプレ)。
◯田舎町のBBQ屋の親父が、こんな状況になってるのにソースのことばっかり考えてる。
◯BBQ屋の弟が保安官。兄貴の悪口ばかり言ってるが、最期は仲良く自爆。死んでゆく弟に、ソースのレシピを伝えながら起爆装置のスイッチを押す兄。感動。
◯医者が殺し屋みたいな風貌。
◯医者の嫁も医者。エロい。太ももに仕込んだ注射器を撃って敵を倒す。甲賀忍者みたい。
◯ゾンビに食われるシーンが容赦ない。
◯ゴアシーンがえげつない。
◯嫁医者のお父さんが頑固で嫌なやつ。だが、実はいいひとで、旦那に襲われた娘を救う。救う理由が、嫁の婿にずっとムカついてたから。
◯保安官の部下がまぬけで場をかき回す(テンプレ)。
◯エロい双子のチャンネー。
◯ザ・アメリカンなバイクと車かっちょいー。エロい。
◯ゾンビに囲まれ右往左往する中で急に始まるカラミ。しかもいいところでカット。理由は、上映館がフィルムを紛失したから。エロくない。
◯その直後、場面が飛んでゾンビとのバトル真っ最中。解体屋の正体が判明しているが、その正体もバレた理由も謎。
◯めちゃめちゃ有能だが頭の中にエロしかない色男登場。
◯おネエちゃんがエロいカッコでアメリカンバイクで疾走。チャンネーのニケツ。エロカッコイイ。
◯武装集団に全員捕らえられる。その留置場の中で急にサックス吹き出すニイちゃん。そのあとサックスで敵を殴り倒す。
◯ヒロインのおネエちゃんが、一昔前の輸入エロ本のモデルのよう。ノスタルジックエロ。ノスエロ。
◯おネエちゃんの脚が一本食われる。
◯おネエちゃん涙。
◯おネエちゃんの脚にテーブルの脚がくっつく。
◯おネエちゃんのテーブル旋風脚が炸裂。敵を倒す。
◯折れた脚の代わりにマシンガンを装着。
◯ゴーゴーバーで鍛えたポールダンスを駆使し、回転しながらマシンガンを撃ちまくる。カッコいい。
◯マシンガンからなぜかナパーム弾が発射される。
◯バズーカの弾をブリッジで避ける。
◯脚をガトリング砲に変え世界の救世主となる。
おわかりいただけただろうか。この映画の魅力を。そのほかに、無駄にブルース・ウィリスってのもある。クエンティン・タランティーノ監督も出演している。映像と展開が安っぽいだけに、もう味わい深さしかない。ツッコミどころ満載の爆笑ネタも随所に盛り込まれている。
すべてがバカバカしい。でも、それがいい。はちゃめちゃが気持ちいい。やりきった感がたまらない。情け容赦は罪。エンディングも最高のバカバカしさ。あいた口がふさがらない(最高級の賛辞)。
さて、2日連続でゾンビ映画を観たわけだが、これほど差が出るとは。日本の映画監督もこれくらいやってほしい。原作の人気に乗っかるだけではつまらない。それならば、原作を超える作品にするくらいの気概がほしい。マジ、大いに反省してほしい。