ホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』
1974年公開後、ホラー映画界に大きな影響を与え、数多くの作品にインスパイヤされている。その描写は芸術性高く、マスターフィルムがニューヨーク近代美術館に永久保存されたほど。
『悪魔のいけにえ』の人気は、魅力的な主人公に依るところも大きい(特にラストシーン)。言わずと知れた「レザーフェイス」であり、この作品のタイトルにもなっている。そう、これは稀代の殺人鬼レザーフェイス誕生の物語なのである。
とはいえ、正直ちょっと物足りない印象である。出来は悪くない。特に、レザーフェイスが狂気に堕ちる瞬間は、ミスリーディングも含めて鳥肌が立つ。児童虐待に敏感なアメリカが、よくこんな作品を承認したなと思う。知らんけど。
ただ、なんというか刺激が足りないというか。うーん、なんだろう。アイクとクラリスの狂気は評価できるが、ちょっと上品というか……監督が原作にリスペクトしすぎて、アートな方向に行ってしまったというか……。
クライマックス、森の中の逃走シーンは原作を彷彿とさせ、光の使い方も美しく評価できるが。なんか中途半端。
あと、チェーンソー一振りで、首落ちるか? そういうところが気になる。
全作観ているわけではないので、これくらいでPCの電源を落とすが、やや期待はずれ感は否めない。
今後、過去作を遡り、この作品の系譜を評価したい。ただ、続編が全作を凌駕する、あるいは次の続編を観たくなると思わせる作品であることは、とても難しいと言うことも知っている。
それを我慢できるか?
正念場である。
なにがだ。