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新海誠の作品は、ひょっとしたらとてもシンプルなのかもしれない。
『秒速5センチメートル』とこの作品を観て、そう思った。
作品作りのきっかけも「携帯の電波って宇宙まで届くんかな?」とか、そんなことだったかもしれない。
でも、そのシンプルな話を新海監督が腕を振るうと、とっても深遠なテーマになってしまう。
例えばこの映画のテーマは
「愛は距離と次元を越えるか?」
ではないか。
主人公の長峰ミカコは戦闘員として、宇宙の遥か彼方へ旅を続ける。
主人公の寺尾ノボルは、彼女の愛に応えようと宇宙へ向かうべく生きてゆく。
ただし、ミカコはワープを繰り返すことで地球との時間がだんだんずれてゆく。
ノボルは年齢を重ねる。ミカコは15歳のまま。
何年後に出会えるだろう。
その時、ふたりはあの日のふたりではない。
愛は無敵なのか。
結論は描かれていない。それも、新海作品の優れているところ。余韻の美学。
ここまで4作観て気がついた。
新海作品はなにかが隠れている。
何かを隠して、日常をまぶしてテーブルに並べられる。
だから、ただ「おいしぃー、かわいー」と楽しむことができない。
その裏が気になる自分は、神経をすり減らしながら鑑賞する。
とっても疲れるw