「あなたが英語学習を行う目的は何ですか?」 この問いかけ、セミナーで頻繁に受講者に聞いています。
というのも、何事も目的が大事だからです。
英語の場合、ただ漠然と世間の英語は大事だ!
これから社会で英語は必要になる、という声に
流されてなんとなく英語をやっている、と言う人がいます。
仕事の場合と同様、英語学習もまずは何のために学ぼうとするのか、
その目的をはっきりと意識する必要があります。
そうでないと、やることを誤ってしまうからです。
ただ単純に学習が楽しいから、英語が話せるとかっこいいから、
そういう目的も、もちろんOKです。
ですが、社会人の多くの人の場合は、
英語で仕事が出来るようにする! これが、目的なことが多いです。
それでは、この目的を達成するためには、どうすればよいのか。
それを記してみたいと思います。
英語で仕事が出来るようになるために、重要な3つのスキルがこちら。
1. 相手に自分の意見を伝えるスキル 2. 相手の意見を理解するスキル 3. 相手の文化を理解するスキル この3つがちゃんとできると、英語で仕事が出来るような人になります。
1. 相手に自分の意見を伝えるスキル 仕事をするときには、相手に何かを依頼することがあります。
目的は、「相手に自分の意見がきちんと伝わること」
それを行うための手段として、英語があります。
もし、テレパシーで会話できる人なら、英語は必要ありませんね。
ここでは、相手に伝えたいことをきちんと伝えることが目的となるので、
英語としては、
・文法は間違っていてもよい
・訛っていてもよい
・平易な単語でよい
となります。
正確な文法で話そう、米国西海岸の人が話すように流暢な英語で話そう、
難しい単語も使わないと、なんていうことは一切考える必要がありません。
そういうのはあれば良いですが、習得するには時間がかかります。
まずは、しっかりと必要条件を備えること、これを意識しましょう。
間違った文法、日本人訛りで簡単な言葉を使って、
相手に自分の言いたいことをしっかりと伝えましょう。
例えば、昨日の食事内容を聞きたい時には、
"What did you eat yesterday?"
と言えば、正しい文法ですが、
"You eat what yesterday?"
と言っても文法は間違ってますが伝わります。
正しい文法を考えてちゃんと話せないよりも、
間違った文法で相手に伝わる内容を伝えることのほうが、
はるかに大事になります。
2. 相手の意見を理解するスキル 続いて、仕事をする場合には、相手の言っていることを
理解する必要があります。
目的は、「相手の意見がきちんと理解できること」
日本語でもミスコミュニケーションが発生することはよくありますが、
英語ならなおさらです。
ここで重要となるのは、以下のこと。
・わからない場合は、相手の話を途中でとめてでもわからないと言う
・早ければゆっくり話してもらう
・繰り返してもらう
・文章、絵を書いてもらう
・内容を確認する
早口の英語で言われてわからなかったら、
"Could you speak slowly?"
と言えばいい。
相手もわかってもらえなければ意味がないので、
わからない場合は話しを途中で止めて、
もう1回繰り返してもらうようにすることもとても重要。
絵を書いて確認したり、最後に、
"I would like to confirm ... "
と言って理解した内容を確認することも大事。
英語力ではない、ビジネススキルを鍛えることによって、
相手の意見を理解する力はぐっと向上します。
相手に臆せずどんどん積極的に行きましょう。
3. 相手の文化を理解するスキル これは、異文化の人と仕事をしていく上で必要になる部分です。
英語は出来るのに、海外の人との仕事がうまくいかない、
という場合は、ここが欠けている場合があります。
日本人ならば、当たり前に思えていることでも、
それは日本人の常識であって、海外の人にとっての常識でない。
だから、前提を全部とっぱらって仕事をする必要がある。
以上3つのスキルが英語で仕事を出来るようにするために
必要なものになります。
これを踏まえて、どういう風にすると、
最短で英語で仕事が出来るようになる人になるのか。
まずは、上記にあげたビジネススキルと、
英語の語学力を軸として各種マッピングすると、
どうなるのか。
受験やTOEICのために勉強している人は、
ビジネススキルを磨いているわけではないので、
下図のような位置にマッピングされる。
語学力もビジネススキルも両方とも高いものを
要求される例として通訳がある。
一方で、語学力がなくてもビジネススキルが高い人は、
通訳を雇うという方法で仕事が出来る。
では、英語で仕事が出来る人というのは、 どこにマッピングされるのか? それは、以下のようになると考えられる。
語学力があっても、ビジネススキルがないと 英語で仕事が出来る人とは言えない。 一方、語学力がそんなになくても、ビジネススキルがあれば、 英語で仕事が出来る人だと言える。
語学力だけあれば、英語で仕事が出来るわけではなく、 またビジネススキルだけあれば、 英語で仕事が出来るわけではない。 そのバランスが図のようになる。
もし、現在の語学力、ビジネススキルの実力が図の点にあったとき、 英語で仕事が出来る人になるために、 どのような手段を取ればいいか。 図を見れば明らかであるが、最短のパスをたどったほうがよい。
もし、目的をあまり考えずに、ただ英語だけを勉強しよう、 文法をちゃんと正確に、TOEICの勉強をしよう、 と絶えずしていた場合、英語で仕事が出来るようになるには、 例えば1000時間くらいかかってしまう。
しかし、英語で仕事が出来る人になるために、 ビジネススキルを鍛え、かつ、それに必要な英語力を 身につけるようにした場合、例えば100時間で済む。
10倍違う。 これが、最短ルートで英語で仕事が出来る人になる方法だ。
文法の細かい間違いや訛りなどは気にせず、 自分の意見を相手に伝える、 相手の意見を理解する、相手の文化を理解する、 ということを鍛えていこう!