フシギな感覚のする小説だった。
「熊の敷石」 堀江敏幸著
この頃読んでいるのが、ミステリィとか推理物が
多いので、新鮮な気持ち。
謎を追い求めるような作業がないので、とても
静かに、五感に訴えかけてくる。
ペタンクのボールの冷たい手触り、石みたいに固い
カンパーニュの食感、カマンベールの臭い。
遠くにそびえるモンサンミッシェルの孤高の姿。
すべて、ワタシに縁のないヨーロッパのテイスト。
国が違うと、何気ない物の感じ方とか、ちょっと
ずつずれてるようで面白い
短編3作だが、主人公はいずれも日本人の翻訳家
か、海外に滞在が多い人?同一人物?
表題作は、久しぶりの友人との再会。
コトバが障壁となって、ひょっとしたら自分は知らず
友人を傷つけていたのかも・・と、考える。
その比喩に使われているのが、熊の敷石。
テーマ的には重たいものがあるのだけど、
ちょっと笑っちゃうようなところもあって、とっても
ユニークだった。
余白が多い話なのに、読み飛ばすと重要な事を
見落としてしまうような。
そうだ、詩を読んでいるような感覚。
いつも見るブロガーさんから見つけた本。
縁だなーと思う。
なかなかこうゆう本に巡り合わないのよね。
tsuccyさん、多謝!
卑しいけど、読んでいたらハムやチーズでワインを
飲みたくなっちゃった(笑)
カンパーニュも切り分けながら・・・
古城址に忍び込むくだりは可笑しかったなぁ!
よく猛犬に追いかけられなかったこと!