散文詩って、こうゆうのをいうのかな。
こんな感じで、情景描写とか心象風景を書いたりするのって
いいな、と思う。
「空気の名前」
アルベルト・ルイ・サンチョス著
題名がとっても巧妙だ、って邦題ですが(笑)
モガドールって港町に住むファトマの悶々とする思いを
不思議なイスラムのテルマエ、ハンマームを舞台に
濃厚な空気感で表現した文章。
自分の欲望や、街の人の視線を自意識過剰なまでに
感じつつ、BSの海外観光番組みたいに街の中を歩き回る
ファトマ。
物語自体はあくまで観念的というか、思わせぶり。
読む人間の妄想をかきたて、そのねっとりした湿気の含んだ
空気に絡めとっていく。
息苦しいような、時々海風を感じてほっとするような不思議な
時間。
因習や迷信やはたまたイスラムゆえの宗教が、ニュアンスだけ
ファトマのそばを通り過ぎてゆく。
ファトマにとってのファムファタルのような女カディヤですらも、
交差した直線のように、2度と会うことなく消えてゆくのだ。
ハンマームって初めて知った。アラビア語ね。
ローマ風呂の流れを汲むものなんだね。
マッサージや脱毛、あかすり師がいるとこなんかもそっくり。
文化って面白いね。
そういえば、
テルマエロマエも来月最終巻が出る!
ルシウスとディアナの運命やいかに!
・・・・・今日の本と関係ないし・・・