映画を見損なったのと、辻村さん読んでみたくて。
「ツナグ」 辻村深月著
吉川英治文学新人賞受賞作なんですね。
死者とこの世のヒトをもう一度会わせてあげる、使者(ツナグと読む)
というお仕事。ボランティアだけど。ネーミングが絶妙。
年老いて体の弱った祖母から、その仕事を受け継ごうとする孫。
ほんとにあったら、大騒ぎだとは思うけどね。
こんなにひっそり遂行できまい。
物語はひねったところはほとんどなく、
出てくる人のほとんどが直球勝負なので、さらさら読んでしまう。
どのエピソードもよく出来ていて、しかも電車で読んだのは失敗。
目がウルウルしちゃって(笑)、ポロっとこぼれたらどうしようかと
思った。
こんなに納まりよく、悪くいえば都合の良い話って・・
ワタシがひねくれてるのか、もうひとひねり欲しい気がしている。
そうだな~、ツナグとしてのおばあちゃんの悔いが残る失敗談とか
(アユミ君の両親の話は別として)
もうほんのちょっと、深い感じがあったらこんなに軽く感じないのかも。
それでも、女の子達の小さな意地悪や、嫉妬のココロ。
頑固おやじがほんとに欲しかったもの。
すいかの基子さんみたいな平瀬愛美。生きてる意味を見失ってる。
とてもリアルで、ダレもがどれかに当てはまるような気にさせる
心の動き。とても上手だと思う。
だからこそ、飛びぬけた何かがもっと欲しいと思ってしまうのだ。