待望の庄司薫論。
『女の子を殺さないために
解読「濃縮還元100パーセントの恋愛小説」』
川田宇一郎著 でしたが・・・
ダメダメじゃん ムズカシ~
この程度の読み込みで
感想を書くのも失礼なので、読みながら想起した事をソコソコ
そもそもこの本のテーマは、ハジメにきちんと作者が提示して
いるように、
「恋愛小説(というもの)が健康的なヒロインをなぜ(作中で)
殺してきたか」(単にウケるからと言うだけではない)
そこで、殺して来た側川端康成・村上春樹・柴田翔などに対して
’69のワタシのスーパースター、庄司薫はいかにしてその流れを
変えようとしたかが中心となっていた、はず
物心ついた時には、家の書棚にすでに庄司薫は鎮座しており
片っ端から読んでいた。赤黒白青四部作。
予備校生の薫君があれこれぶつぶつ言いながら、それでも
幼馴染の由美ちゃんを、どうにかしてキケンな事から守ろうと
頑張っちゃうハナシ。
このヒト、かわい~い。短パンで虫取り網持って新宿の街を
歩いちゃうのもなんかケナゲなんてノリで。
その後、柴田翔→倉橋由美子→村上春樹なんて流れで書棚を
読み進んで行き、何の疑問も持っていなかったが、どれも学生運動
などの共通項アリ、男の子は砂漠や荒野に向かい、女の子は
ちょっとの冒険の後、妻となり母となって(堕ちる、と川田氏は表現)
いく、それまでのあがきみたいなもん?をそれぞれ表現してるのか
ナ~なんてぼんやりと考えていた。
浅読みですまぬが
今回、 「女の子を・・」を読んだおかげで、村上春樹がどんなに
庄司薫を意識して書いていたか、バカみたいだけど始めて知ったし
これらのハナシの根底にある隠された意図なんかは少し理解できた。
何に惹かれて読んでいたのかもちょっとわかったし。
最近になって、サリンジャー(村上春樹訳ね)読んで、懐かしい
気持ちになったのも、(語りで書いてるからね) そうか~
作家って、読者が思うよりずっと計算して書いてるんだね。
(当たり前か)
ケド・・
あとがきまで読んで、ほっとした。ずっと固い文で書いてた川田氏が
とてもやわらかく、こそっとこの本が初恋のヒトへのオマージュである
事を告白
つまり、この評論そのものがレンアイ小説だったわけね
だから、幼馴染の女の子は「全力でお守りするっ」が正解。
やっぱりワタシも庄司薫がスキ
でもさあ、題名もさることながら、この表紙ったら扇情的過ぎて、
持ち歩くのがちょっと・・
お庭の怪 ~