『つげ櫛は髪に艶を与えてくれる』
そんな文句だけを中途半端に聞きかじり、それが櫛の手入れによってもたらされるものだとは知るよしもなく「つげ櫛を使っている割には髪が傷むなあ」と思っていました。
さて、大人のすることは何でも真似したがる娘が、私のつげ櫛に興味を持ったのは半ば必然です(毎日、私の櫛で娘の髪をとかしているので)。
でも、私のつげ櫛は↓のような形状なので、2歳児が持つにはいささか危ない。
でも、女の子がいっちょ前にオシャレ(?)に興味を持つのは可愛い。どうせ与えるならプラスチックよりもつげ櫛がいい。
そう思って、先日の京都旅行の際に京極にある『井和井』さんで娘のためのつげ櫛を買いました。
真っ白くてシンプルなモノと、飴色の光沢があって飾り彫りが施されたモノが並んでいました。
当然飾り彫りが施された方がお高く、2歳児が半分おもちゃ感覚で使うにはちょっともったいなかったので、白くてシンプルな方をいただきました。
お店の方から「これは油を馴染ませてないものですが、本当にこれでよいですか?」と聞かれました。
油は椿か杏が好ましいこと、ドラッグストアー等で椿油は手に入ることを教えてもらい、「自分でやるからけっこうです」とそのまま購入しました。
帰宅後、早速椿油も購入。
お店の方には啖呵を切ったものの、お手入れの仕方はさっぱり分からないのでインターネット様に頼りました。そして、初めて油を馴染ませた娘の櫛がこちら。
うっかりして購入当時の未加工の写真を撮り忘れたうえに素人の腕なので写真では全然違いが分かりませんが、
真っ白くて艶のなかった櫛がたった1回でごくわずかでも飴色になり、ほんの少し艶が出ました。
多分、最初の1回が一番違いが分かると思うんです。今後、ここまではっきり違いが出ることはないと思います。でも、すごく感激しました。
この違いに気をよくして、自分の櫛も手入れしてみました。汚れが酷かったので、娘のモノより時間をかけて油を馴染ませたら、汚れが浮いてかなりきれいになりました。
櫛に馴染んだ油が髪に移るのでしょう。心なしか髪もまとまるようになった気がします。
手をかけてあげればちゃんと応えてくれるのだなぁと、何もしてこなかった今までの自分を少し恥じました。
インターネットによると、お手入れは月に1回程度で良いのだとか。
娘が大きくなった時、娘と共に歩んでとても綺麗になっているであろう櫛を思い浮かべると心が踊ります。
娘も櫛も、成長が楽しみです。