物語『さみしがりのクロ』 | Re:Oneself

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もはやなにものでもない駄文。



Oneself



クロは一人たたずんでいました。
ここには何もなく、誰もいません。
ただ一人クロだけがいました。


ふとかわいそうに思った神様は、さみしくないようにクロの周りにお花を咲かせてあげました。
クロはきれいな花に大喜びです。
一生懸命に水をやり、世話をします。

しかし、ふと物言わぬ花になんだかさみしくなって涙がこぼれてきました。


様子をみていた神様は、今度はウサギをクロに与えました。
かわいらしい姿にクロは大喜びでかわいがります。

ところがウサギはお腹を空かせて、まわりのお花を食べてしまいました。
クロは涙をこぼしました。
悲しみのあまり、クロはウサギを飲みこんでしまいました。


またクロは一人ぼっちです。
見かねた神様は、今度はクロと同じ姿をしたシロを連れてきました。

姿の似た二人はすぐに打ち解け、一緒に仲良く暮らします。
言葉を交わさなくても、二人はお互いの考えていることは通じているようでした。

しかし、ある日シロはクロに何もいわずにクロの元から去ってしまいました。

クロは途方にくれました。
何もわからず、ただ涙を流して泣きつづけ、座りこみます。


神様は今度は何もしませんでした。
ただ見守ります。


泣きつかれたクロは、やがて立ち上がりました。
頬はまだ濡れたままで、また涙もこぼれます。


クロはどこかに向かって歩きだします。
疲れたら休みます。
でも、また歩きだします。


シロを探すためか、哀しみの多いこの場所を離れるためかわかりません。
やがてクロの姿は見えなくなりました。


そして・・・誰もいないこの場所に、たどり着いたのは・・・