読書人の日々 -2ページ目

読書人の日々

まだまだ半端ですが、読書人の日記を書いています。

今回は、道尾秀介の『光媒の花』を取り上げます。

道尾秀介は、今放送中のドラマ、「月の恋人」の作者としても有名ですが、もともとはミステリー作家です。

巧妙な仕掛けのあるミステリー作品で人気になりましたが、今回は文芸色の強い作品で、ミステリー色は薄いですね。


愛憎ゆえの殺人、性的虐待、貧困、孤独と、暗い気分になるような話が続いていくわけですが、最後の物語で、冒頭とのつながりができ、少しの光を見出すことができます。

1つの話の主人公が他の話でも重要な役割を担う書き方は、伊坂幸太郎にも見られる書き方ですが、なかなか効果的な演出になっています。

感覚的には、6つの物語がバトンリレーのようにつながっていく印象といったところですか。


この作品に対して、道尾本人は、「この全6章を書けただけでも、僕は作家になってよかったと思います」と語っています。

ミステリー系の物語が好きで道尾作品を愛読している人には少し物足りない印象も否めないですが、筆者の考え方や人間性を色濃く反映させた作品として、価値があります。


『超訳 ニーチェの言葉』(著者:白取春彦)という本が、なかなか売れています。

これは、あの大思想家ニーチェの言葉を、現代に通じる安易な言葉に翻訳したというものです。

この本は、難解な言葉を現代風にして、「ニーチェ」の思想をより広く知ってもらいたいという趣旨のようですが、どこか違和感を感じます。

実際、書店で立ち読みをしたこともありますが、購入しようとまでは思わず、コツコツ立ち読みで十分だと感じました。


Amazonあたりでも、「超訳 ニーチェの言葉」で検索すれば賛否両論見ることが可能です。この本に関しては、かなり意見が分かれていますね。



それはなぜか。
読んだ感触として、ニーチェ独特の、重みと毒がないように感じてしますんですね。
どうも、ポジティブな方向に無理に訳してしまっている感じがして、正直好きにはなれなかったというのが感想です。



近年、古典文学等を平易な現代語に訳した本が売れています。
スタンダールの『赤と黒』は翻訳をめぐって問題が起きていました。

本が売れない昨今。出版社のビジネス的な取り組みとしては、頑張ってほしいと思う部分がある半面、「ひょっとしてこれは歪んだ教養崇拝なのかもしれない」と感じることもあり、なかなか難しいですね。


はじめまして、秀博といいます。

ブログはじめます。

ジャンルは、書評と日記。

いろんな方に見ていただければ幸いです。