今回は文芸ではなく経済書です。
ロバート・B・ライシュ『勝者の代償』。
ニューエコノミーは、すばらしいものであり、勝者には栄光と富とこのうえない充実感をもたらしてくれるが、その反面、家庭生活や友人やコミュニティとの関係、はたまた自分自身まで失ってしまわざるをえない・・・という大きな代償がある。
こんな内容のことが書いてあります。
筆者はクリントン政権時代に労働長官を務めた人物ですが、経済書にありがちな「難解な用語をちりばめて理解を困難にする」という難点もなく、専門外の人でもスムーズに読み進めることができます。
翻訳者の腕が良いのでしょう。
グローバルな競争に勝ち抜いてきたアメリカ合衆国。
その中で、何が代償として犠牲にされてきたのか。
では未来に向かってどのような取り組みを視野に入れれば良いのか。
こういったことを問う文章になっています。
アメリカ社会を対象にしていますが、日本に適用して考えても十分に頷ける部分も多く、一読すればかなり勉強になります。